事業承継のポイントを確認する<中>

執筆者:藤本 江里子

更新日:2017年06月13日

事業承継のポイント~基本編~

(<上>の続き)
 今回から事業承継のポイントを解説する。
 まず、以下のように事業承継で悩む2つのケースを考えてみよう。

ケース1:子供に会社を継いでほしいけれど、まだまだ頼りないし、何より本人がそれを望んでいないようだ。
ケース2:親族ではない役員に会社を継いでほしいと思っているが、役員に事業を引き継ぎたい時には何に注意したらよいのだろうか?

 ケース1についてだが、そのポイントは「後継者と対話する」ことにある。
 実際、ケース1のような悩みを持つ経営者は多い。しかし、事業承継プランの実行過程で子供と話し合いの機会を持った時、初めて子供が会社を継ぐ意志を持っていたことがわかるというケースが少なからずある。それゆえ、子供が事業承継を望んでいるか否か、それについて後継者候補とぜひ一度対話の時間をつくっていただきたい。これまで子供は事業承継を望んでいないものと思い込んでいたが、案外、対話してみたら新たな発見があるかもしれない。

 ケース2についてのポイントは「類型ごとのメリット・デメリットを知る」ことである。
 20年前は親族内承継が全体の9割を占めていた。だが、ここ10年で親族内承継が激減し、親族外承継が6割超となった。ケース2のように役員などに承継することもめずらしいことではない。
 そこで、親族内承継と親族外承継については以下のようなメリットとデメリットがあることを理解しておきたい。

【親族内承継】
<メリット>
・所有と経営の一体的承継が可能
・早期の着手で長期間の経営者教育が可能
<デメリット>
・親族内に経営能力がある人材がいない場合は成り立たない

【親族外承継-役員などへの承継】
<メリット>
・経営の一貫性を保ちやすい
・経営能力をみた承継が可能
<デメリット>
・関係者の理解を得られない場合がある
・株式取得資金が必要
・個人債務保証の引き継ぎがネックとなる

【親族外承継-社外への承継(M&Aなど)】
<メリット>
・広く外部に承継候補者を求められる
・現経営者が売却益を獲得できる
<デメリット>
・買い手がいないと成立しない

 さて、ケース1でもケース2でも「早めに着手する」ことが事業承継における共通のポイントとなる。
 前回で説明したように、事業承継では引き継がなければならない経営資源が数多くあり、その引き継ぎは容易ではない。そのため事業承継には5~10年以上の準備期間が必要にある。よって、なによりも早めに着手することが、円滑な事業承継のカギを握っているのである。

この記事の専門家

税理士

藤本 江里子

立命館大学文学部卒業。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程修了。
都市銀行で外国為替業務に従事したのち、中堅会計事務所・税理士法人での勤務を経て現在は、コンサルティング会社にて事業承継・財産承継、M&Aに関するアドバイザリー業務を中心に、株価評価、企業再編業務、公益法人・NPO法人などの税務・会計支援業務、財務・税務デューディリジェンスなどの総合的サービスに関与している。

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