事業承継のポイントを確認する<下>

執筆者:藤本 江里子

更新日:2017年06月14日

事業承継のポイント~応用編~

(<中>の続き)
 前回に引き続き、今回も事業承継のポイントを解説しよう。
 まず、次の2つのケースについて考えてみる。

ケース3:最近、M&Aのダイレクトメールが毎日届く。うちの会社って高値で売れるの?
ケース4:知り合いの経営者が急逝し、後継者が相続税を払えないからと会社を廃業した。うちの会社は大丈夫なのか?

 ケース3、ケース4ともに、そのポイントは「企業価値の向上」にある。
 実際、ケース3のようにM&Aの話が中小企業に持ち込まれる機会が増えており、その場合、企業価値の向上が課題となるのはよく知られるところだ。だが、それは何もM&Aに限った話ではない。
 また、ケース4のように親族内承継でありがちなのが、税負担軽減のために利益圧縮に走るケースだ。しかし問題なのは税金が「高いこと」ではなく、税金が「払えないこと」である。儲かれば企業価値が向上し、税金の支払も可能となる。どんな場合でも、企業価値の向上に努めることが共通の解と言える。

 さて、本連載ではここまで事業承継の概要とポイントを解説してきたが、最後に2つのポイントを紹介しよう。
 1つめは、「事業承継のための各種制度を活用する」ことだ。
中小企業の事業承継の円滑化は、日本にとっての最重要課題である。ケース4の会社のように、納税が理由で廃業せざるを得ないことなど決してあってはならない。そこで、遺留分の民法特例や事業承継税制(納税猶予など)、事業承継補助金などの支援制度を積極的に活用してほしい。

 2つめは、「信頼できる専門家を持つ」ことだ。
 これまでみてきたように事業承継には、経営、法務、税務、財産管理などの幅広い知見と高度な専門性が要求される。そのため事業承継は信頼できる専門家のサポートがないと難しいと言える。みなさんの話を真剣に聞き、長期的に寄り添ってくれる専門家を地道に探すことをお勧めしたい。

 ここまで読んでくださった読者のみなさんには、今、この瞬間から事業承継の第一歩を踏み出していただきたい。

この記事の専門家

税理士

藤本 江里子

立命館大学文学部卒業。立命館大学大学院法学研究科博士前期課程修了。
都市銀行で外国為替業務に従事したのち、中堅会計事務所・税理士法人での勤務を経て現在は、コンサルティング会社にて事業承継・財産承継、M&Aに関するアドバイザリー業務を中心に、株価評価、企業再編業務、公益法人・NPO法人などの税務・会計支援業務、財務・税務デューディリジェンスなどの総合的サービスに関与している。

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