創業時の資金に関するイロハ<中>

執筆者:原田 英明

更新日:2017年06月27日

資金繰りの改善策

(<上>の続き)
 創業後には、「開業時に申請通りの融資金額を借りられなかった」「計画の売上を大幅に下回った」「売掛金の回収で長い条件をお客から要求された」「仕入れは現金取引しか認められなかった」など、資金繰りを苦しくすることが次々に発生する。

 それにより手元の現金がなくなり、支払が滞ってしまえば倒産である。ほとんどの創業者は初めて経営者となるケースが多いが、経営者になったからには運転資金が不足する資金ショートを自ら防がなければならない。

 資金ショートを防ぐためには、どの時点で資金不足に陥りそうかを予測し、早めに対策を立てることである。そのためには、現在の資金状況を反映し、かつ将来の現金収支を厳しく見込んだ資金繰り表を作成し、現在から将来に向けた資金の出入り(収支)を「見える化」することが大切である。それにより経営判断や対策立案も早くできる。

 そして将来の危険な兆候をつかんだら、お金の「出」を減らして「入り」を増やす改善策を早めに打つことである。しかし、創業期の対策には限りがある。金融機関からの借り入れも一案だが、業績が低迷し、資金繰りの苦しい創業間もない企業に対する金融機関の審査は甘くない。

 そこで「入り」の対策として、①営業活動を増やして顧客や売上金額を増やす、②不要な資産を売却して現金化する、③経営者が会社に対してー時的にお金を貸す、④売掛金の回収を早めて現金化を早める、⑤親しい経営者、親族(家族)からお金を借りる、などが挙げられる。

 一方、「出」の対策は、①不要不急な支出をしない、②相見積りや安く提供してもらえる仕入先・購入先を探すことで費用を抑える、③外注していた作業で内製化できるものは社内で作業し、現金を社外に流出させない、④業務を効率化してパート・アルバイトを減らし、経営者もしくは従業員で作業を賄う、⑤経営者の役員報酬などを減らす、⑥取引先からの理解を得て支払サイトの期間を一時的に伸ばしてもらう、などが挙げられる。

 倒産をまぬがれるためには、早めに資金繰り対策に動き、さまざまな手をつくして最後まで諦めないことが肝心である。 

 開業時の必要資金を自己資金だけで賄えない場合、金融機関から借り入れることで調達するケースが多い。創業者は、民間金融機関のプロパー融資(信用保証協会などの外部機関による信用保証を受けずに銀行から直接受ける融資)を一般的に利用することが難しいため、日本政策金融公庫や地方自冶体の制度融資などを利用するケースが多い。
 そこで次回は公的融資を利用する際に留意すべき点をいくつか紹介する。

この記事の専門家

原田 英明

中小企業診断士。明治大学法学部卒。
大手総合電機メーカー系列の中堅広告会社に就職し、マーケティングやプロモーション部門で戦略策定などの企画業務、販促ツールの制作進行管理業務に従事。中小企業診断士の資格取得後に開業。小規模事業者・中小企業の経営革新、事業計画策定、マーケティング等の支援、創業支援。公的支援機関の経営相談員、専門家派遣の業務にも従事。中小企業経営者に寄り添って支援することをモットーにしている。

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