創業時の資金に関するイロハ<下>

執筆者:原田 英明

更新日:2017年06月28日

公的融資の利用における留意点

(<中>の続き)
 創業者が開業資金として公的融資を利用する際、その留意点として「個人の税金を未納・滞納している」「信用情報に事故歴がある」「営業に必要な許認可を取得できない」「事務所(店舗)地が決まっていない」「お金をすでに支払っている」などが挙げられる。
 それらについて以下に見ていこう。

1.個人の税金を未納・滞納している
 公的融資は税金に基づいた制度のため、税金を納付していない創業者には融資できない。もし未納、滞納している場合は、税金を納付した後に融資を申し込まなければならないが、未納、滞納を解消しても融資をすぐに受けられない場合もある。

2.信用情報に事故歴がある
 信用情報に事故歴がある創業者は、融資を申請しても受け入れられない可能性が高い。例えば、学生時代に携帯電話の料金、公共料金、ショッピングのカードローンを滞納したことも信用情報の事故歴に記録されている場合もある。事故歴は信用情報機関に開示請求すれば知ることができるため、心当たりのある創業者は融資申請前に調べることをお勧めする。

3.営業に必要な許認可を取得できない
 官公庁から許認可を取得しなければ営業できない業種で起業する場合、許認可を取得できないと融資を受けることはできない。

4.事務所(店舗)地が決まっていない。
 主たる事務所(店舗)が確定してないと、融資の申請は基本的に難しい。しかし、手付金の交付や仮契約書の締結など、本契約前でも申請可能な個別ケースもあるため、許認可の場合と同じように、個別に確認してほしい。

5.お金をすでに支払っている
 資金の使途は適切でも、支払い済みの費用は融資の対象外である。例えば借人金で機器の購入費や工事費を支払う場合など、融資が実行された後に支払うということを事前に支払先と調整することが必要である。

 税金の未納・滞納や信用情報の事故歴は論外として、公的融資を使って創業を上手に進めるには、店舗や事務所などの契約交渉、許認可の取得時期(必要な業種の場合)、融資申請・実行時期、発注先への支払い期日などを調整、交渉するという経営者としての力量も必要になってくる。事前に融資情報を収集し、綿密な資金調達計画を立て、実行していくことが大事になるのである。

この記事の専門家

原田 英明

中小企業診断士。明治大学法学部卒。
大手総合電機メーカー系列の中堅広告会社に就職し、マーケティングやプロモーション部門で戦略策定などの企画業務、販促ツールの制作進行管理業務に従事。中小企業診断士の資格取得後に開業。小規模事業者・中小企業の経営革新、事業計画策定、マーケティング等の支援、創業支援。公的支援機関の経営相談員、専門家派遣の業務にも従事。中小企業経営者に寄り添って支援することをモットーにしている。

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