下請けから製品開発へ参入する前に知っておくべきこと 1 ~顧客ニーズの把握編~

執筆者:原田 英明

更新日:2017年09月22日

経営判断の違いと重要性

 下請中小製造業における独自製品開発の成功事例はテレビ等で紹介されることもあるが、日の目を見ない失敗例も多い。独自製品開発を検討している下請中小製造業の経営者もいると思うが、参入前に知っておいてほしいことを記述したい。

 下請けと独自製品開発の製造とでは大きな違いのあることは、私に言われなくても、下請中小製造業の経営者の方ならご存じかと思うが、経営判断の基準も違うことを意識されたことはあるだろうか?

 下請けのモノづくりでは、顧客の要求する仕様通りの品質、コスト、納期が受注の判断基準といって間違いないだろう。しかし独自製品開発では、参入する市場の選定、ターゲット(顧客)ニーズ、自社の既存技術の活用または開発すべき技術、投資金額や開発年数など、膨大な情報から必要なものを自ら取捨選択し、顧客が求める製品の仕様(機能・性能・デザイン他)を決定していかなければならない。

 製品の仕様決定には、通常の下請業務では係わることがない、製品の企画・設計開発、マーケティング調査の段階での経営判断が重要で、それが独自製品開発の成功・失敗に大きく影響する。例えば、私が以前に販路開拓の相談を受けた事例に、ある下請中小製造事業者が初めて独自製品を開発したが、デザインに関する判断ミスがあったというケースがある。高齢の男性社長は、若い女性を製品のターゲットに設定したが、若い女性社員に意見を求めずに女性が好まないデザインの製品を開発してしまった。製品化後に販路開拓の相談があったものの、顧客ニーズとかけ離れた製品の販路開拓は難しいとお伝えせざるを得なかった。

 独自製品の開発は、単にモノを製造するだけでなく、多種多様な情報からどのような情報を取捨選択すれば、「顧客の求める製品」を提供できるかを自ら判断しながら進めていかなければならない。もし高齢の男性社長が顧客ニーズの重要性をわかっていれば、若い女性社員の意見を聞くなどすることで、デザインは違うものになっていただろう。

 次回からは、独自製品開発に成功した事例を用いて、経営判断の重要性と難しさを説明したい。

下請けから製品開発へ参入する前に知っておくべきこと 2に続く

この記事の専門家

原田 英明

中小企業診断士。明治大学法学部卒。
大手総合電機メーカー系列の中堅広告会社に就職し、マーケティングやプロモーション部門で戦略策定などの企画業務、販促ツールの制作進行管理業務に従事。中小企業診断士の資格取得後に開業。小規模事業者・中小企業の経営革新、事業計画策定、マーケティング等の支援、創業支援。公的支援機関の経営相談員、専門家派遣の業務にも従事。中小企業経営者に寄り添って支援することをモットーにしている。

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