コミュニケーションの設計 1 ~伝えるための仕組みづくり~

執筆者:佐々木 陽三朗

更新日:2017年08月07日

コミュニケーション手段に何を使うか

 会社規模が大きくなるにつれて、社員に指示が伝わらない、会社の理念が浸透しないなど、意思疎通の問題は大きくなる。また、やたらと会議が増えて仕事どころではないということもある。
 これは考えてみれば当たり前のことだ。点と点を結ぶ線の数が何本あるかをイメージしてもらうとよい。それぞれの点が社員1人ひとりだとすると、点が2つなら1本、3つなら3本、4つなら6本と、点(=社員)が増えるにしたがって、線の数は幾何級数的に増加する。一直線に線をつなげていく伝言ゲーム方式なら線の数は増えないが、その分、末端に伝わるまでに話が変わっていったり、時間がかかったりするなどの問題がある。
 会社規模の拡大とともに、効率的かつ効果的なコミュニケーション体制を準備しておく必要があるのだ。

 では、効果的なコミュニケーションはどのように企画、設計していけばよいのだろうか。
 コミュニケーションの手段には、直接の会話、印刷物の回覧、掲示板、電話、電子メール、グループウェアなどどのような媒体で行うか、また、会議、研修、表彰式、新年会、忘年会などどのようなイベントを通じて行うかという選択肢がある。

 まず、媒体の選択から考える。
 社員どうしの会話については会社がコントロールできるものではない。ただ、自由に会話が起きる雰囲気を作っておくことは重要だ。会話を促す環境としては、壁のない執務スペースなどが代表的だ。最近はやりのものとして、オフィスの中心部にカフェや休憩スペースを作り、いろいろな部署の社員が不規則に集まってくるような仕組みを作るのも1つの手だ。もっと積極的にやらせるなら、毎日、社員全員で会社を掃除する仕組みを作るとよいだろう。あまりきっちりしたルールを設けずに掃除させれば、自然と人が入り乱れて会話が生まれる。

 印刷物の回覧や掲示板についても、社内にそれらの媒体で情報提供できる仕組み、場所を用意しておくことが重要だ。ただ、このやり方は、せいぜい20~30人のグループまでが限界だろう。印刷物の回覧や掲示板は、社員1人ひとりが自発的に見ることが前提だが、社員数が増えるとどうしても1人ひとりの主体性がなくなってくるので、「ほとんどの人は見ていない」ということになる。

 電話、電子メール、グループウェアは、会社がある程度コストをかけて仕組みを用意してあげなければいけない。最近はBYOD(Bring Your Own Device)といって、社員が自分のスマートフォンやパソコンを業務に使用する例も増えているが、機器の仕様・性能にばらつきがあると共通の機能を使えないことがある。多少コストはかかっても会社から機器を支給したほうが、きちんと使いこなしてくれる可能性は高い。また、電子メールやグループウェアは、情報をきちんと見たかどうか電磁的にチェックする仕組みも作れる。そういった意味でも会社が仕組みを用意したほうが、見たか、読んだか、伝わったかを確認できるのでよい。

(コミュニケーションの設計 2に続く)

この記事の専門家

佐々木 陽三朗

中小企業診断士。慶応大学商学部卒。
ベンチャーキャピタル会社で投資案件開拓、投資先支援。ソフト開発会社、外食チェーン等事業会社では経営企画、広告宣伝等に従事した後開業。経営者の考えを行動計画や財務数値計画にまで落とし込むことを得意とし、業種を問わず、創業・ベンチャー支援、事業改善・再生などに携わっている。「真のパートナーとして経営者・事業とともに成長する」を理念としている。

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