中小企業における健康経営 1 ~推進の効果編~

執筆者:泉 とも子

更新日:2017年08月30日

長期的な「ヒトへの投資」と考えよう

 企業の経営資源である「ヒト、モノ、カネ、情報」の中でも、とりわけ重要なのは「ヒト」だ。「体調が悪くて本来の集中力や能力が発揮できない」とあっては、業務に支障をきたすし、そもそも従業員が健康でなければ企業活動は成り立たない。

 健康経営※とは、企業が従業員の健康を「経営的視点」で考え、従業員の健康増進・疾病予防を「戦略的」に推進していくことである。従業員の食事や生活習慣の改善、日々の運動の推奨、長時間労働の是正なども含めて、企業全体で取り組むことで職場が活性化し、生産性が向上するという効果がある。結果として業績や株価の向上につながり、企業イメージが上がって顧客や取引先から見た企業価値の向上につながることも期待される。
 日本の労働人口は減る一方であり、経営者にとっては長く安定した雇用を継続させることが重要な経営課題だろう。経営者がその指導力を振るい、従業員の健康管理を組織戦略として実施することがこれからの企業の成長に欠かせない要素となっている。 

 では健康経営に取り組む中小企業はどのくらいいるのだろうか。
 日本経済新聞の記事によれば東京商工会議所の調査で、回答を得た都内の中小企業176社の9割以上が健康経営に関心を示しつつも、現在「実践している」のは2割にとどまったという。課題として「方法が分からない」「ノウハウがない」「社内の人員がいない」などの回答が目立ったほか、効果がわからない点を挙げる企業もあった。

 前述のとおり長期的な視点でみると健康経営は、生産性を高め企業価値を向上するためにも有効な手段である。「コスト」ではなく「ヒトへの投資」と考えるべきであり、投資だからこそリターンも期待できる。次回は「健康経営」の具体的なリターン(メリット)を紹介する。
(中小企業における健康経営 2に続く)

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
出典:日本経済新聞、平成29年7月19日付、電子版(http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB18H5F_Y7A710C1L83000/)

この記事の専門家

中小企業診断士

泉 とも子

国際基督教大学教養学部語学科コミュニケーション専攻 卒業
外資系金融機関のストラクチャードファイナンス部アシスタントを経て、経営コンサルティング会社で、ハンズオンによる株式公開支援ファンドの運営および経理、総務、人事など会社経営全般に従事。その後、出産・育児のために専業主婦となるも、幼稚園のPTA会長、小学校PTA役員などを通じて、地域コミュニティでのボランティア活動を数多く経験。仕事の経験を活かして中小企業診断士となり、地域社会に貢献するため様々な方面で活動している。

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