従業員1人ひとりが創造力を発揮するためには 1 ~外発的動機づけ編~

執筆者:風間 一郎

更新日:2017年10月02日

従業員の正しい動機づけ

 最近「部下が自律的でない」「言われたことはやるが、言われたこと以外はやろうとしない」という経営者や管理職の悩みを耳にすることが多い。

 今、我が国の多くの市場は飽和状態にある。消費者のニーズは細分化し、日々変化する。そうした流動的で過酷な経営環境のもとでは、企業は変化するニーズを捉えながら、創造的な商品やサービスを生み出し続けなければ生きていくことが出来ない。規模の経済で勝負することのできない中小企業にとってもそれは当てはまるだろう。

 企業が新しい価値を創造していくためには、従業員1人ひとりが創造力を発揮していく他ない。そして従業員が創造力を発揮できるかどうかは、彼らが自律的に仕事に取り組めているかどうかに極めて大きく左右される。いま中小企業にとって「従業員が自律的に考えて行動するよう動機づけられているかどうか」ということは、社運を分ける重要な問題なのだ。

 では彼らを正しく動機づけ、自律性を発揮させるためにはどうしたらいいのだろうか。
 動機づけは大きく「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の二つに分けることができる。前者は本人の外部から動機づけようとするもので、金銭報酬や表彰、罰則などがこれに該当する。要は「アメとムチ」だ。対して後者は、本人の内側から自発的に生まれる動機づけを指す。仕事そのものに見出すやりがいや楽しさなどだ。

 内発的動機づけと自律性の間に密接な関連があることは容易に想像できるだろう。この2つは相互に高め合う性質を持つ。一方で見落とされがちなのが、外発的動機づけは自律性を高めないどころか、逆に低下させるということだ。

 例えば仕事の成果に対して多くの金銭を支払えば、簡単に従業員のモチベーションは高まるだろう。しかし結局のところ、それはより多くの金銭を得ることへの動機づけが強化されたに過ぎない。そして外から与えられる報酬に意識が向けば向くほど、内発的動機づけや「自律的でありたい」という欲求は失われていく。これは金銭に限ったことではない。失敗に対するペナルティや「褒める」という行為など、あらゆる外発的動機づけはこうした負の性質をもっている。
 従業員から自律性を奪ってきたのは、「アメとムチ」による統制なのだ。

 では、従業員を内側から動機づけて自律性を引き出すためにはどうしたらいいのだろうか。
 次回はその方法について考えてみよう。

従業員1人ひとりが創造力を発揮するためには 2に続く

この記事の専門家

中小企業診断士

風間 一郎

東京理科大学大学院理工学研究科修士課程修了
大手SIerで製造業向けの業務システム開発に従事した後、石油化学系メーカーに転身。情報システム部門で社内の業務プロセス改革や業務IT化戦略立案、システム開発PMなどを担当する。
現在は同社の経理財務部門で資金繰り管理や資産運用などを取り纏める傍ら、中小企業の営業・マーケティング支援や人材マネジメント支援等、中小企業診断士として幅広い領域で活動している。

ミラサポおすすめコンテンツ

サービスを利用する
補助金など支援情報
無料派遣専門家
地域プラットフォーム
専門家派遣・電子申請のご利用は、こちらより企業IDをご登録下さい
ビジネスを創造する
ビジネス創造コミュニティ
業務「アプリ」マーケット
ミラサポビジネスプロジェクト/アワード
補助金・助成金ヘッドライン
ビジネス創造ヘッドライン
マイナンバー制度ヘッドライン
バーチャルシリコンバレー
ページトップに戻る