従業員1人ひとりが創造力を発揮するためには 3 ~経営者の覚悟編~

執筆者:風間 一郎

更新日:2017年10月02日

経営者の「人間観」が鍵

(2の続き)
 前回まで、人の自律性に対する外発的動機づけの負の作用と、従業員の自律性を引き出すためのポイントとして「選択権を与える」ということについて述べてきた。
 しかし、そうした選択権委譲は既にできる限りやっており、他にも様々な「内発的に動機づける」方法を調べ、苦労を重ねながら実際に自社に取り入れてきた、それでも従業員は一向に変わる様子を見せない。そう頭を悩ませている経営者も少なくないだろう。

 どうしたら彼らを変えることが出来るのだろうか。残念ながら、その問いに明確な正解はない。外から「変えよう」と考える限りそれは「統制」であり、統制は自律と真逆の概念だからだ。彼ら自身が「自ら変化し自律性を発揮するようになるために自分にできることは何か」と問わなければいけない。

 上の立場にいる人ができることで最も重要なことは、自分自身の「人間観」を見つめ直すということだ。意識的であれ無意識であれ、私たちには「人は放っておけば怠ける。だからアメとムチで統制しなければいけない」という人間観が深く根付いてしまっている。それを「人は本来、自律的でありたい、自分で何かを成し遂げたいという前向きな欲求をもっているものだ」という人間観に書き換える必要がある。

 自律性を支援するということは詰まるところ、腹を決めて従業員のポテンシャルを信じ、彼らの立場に立って考え、彼らを応援し続けることだ。口で言うのは簡単だが、実践するのはとても難しい。アメとムチでコントロールしようとすることよりも遥かに大変だ。人の気持ちに対する深い洞察と高度な対人スキルが求められる。忍耐も必要だろう。そして無意識のうちに彼らをコントロールしようとしてしまう自分自身と、向き合い続けなければいけない。

 しかし誰にでもできることではないからこそ、それは会社の命運を左右し得るのだ。

 「部下が自律的でない」その原因は、実はコントロールしようとする側にあったのかもしれない。そう気づくだけで、部下にやる気を与え、創造性を引き出すきっかけを与えられる。
 今こそ従業員の可能性を信じ抜く覚悟を決めて、彼らが自律的になれるよう応援する立場に徹してみてはいかがだろうか。

この記事の専門家

中小企業診断士

風間 一郎

東京理科大学大学院理工学研究科修士課程修了
大手SIerで製造業向けの業務システム開発に従事した後、石油化学系メーカーに転身。情報システム部門で社内の業務プロセス改革や業務IT化戦略立案、システム開発PMなどを担当する。
現在は同社の経理財務部門で資金繰り管理や資産運用などを取り纏める傍ら、中小企業の営業・マーケティング支援や人材マネジメント支援等、中小企業診断士として幅広い領域で活動している。

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