人手不足時代の従業員定着に向けて vol.7 ~人事制度の改定に関する取り組み 01~

執筆者:吉田 浩文

更新日:2019年05月23日

人事制度の改定に関する取り組み

人材の確保・定着に課題を抱えている企業では、評価・処遇・育成の仕組みが整っていない、あるいは多様な働き方への対応が出来ていないといった人事制度面の問題も見受けられます。そうした企業では、「将来が不安」「何を評価されて昇給・昇格するのか分からない」「育児・介護のため働き続けるのは難しい」といった声が従業員から寄せられています。
飲食業や小売業では、若くして店長に昇進した後は、上のポストが空くまで昇格・昇進がないケースが散見されます。賃金が上がりにくく、新たな職業能力を磨く機会も乏しいため、モチベーションの維持が困難となるのです。また、小規模の店舗が広域に分散していることも多く、人材の確保・定着には多様な働き方への対応が欠かせません。今回は、こうした課題に対応するため、人事処遇制度を抜本的に見直したフジファミリーフーズ(愛媛県、飲食業)の事例を紹介します。

同社は中国地方、四国地方にレストランや焼き肉店、フランチャイズ店など約130店舗を展開しています。特に20代の若手社員や店長クラスの定着に課題を抱えており、評価・処遇・育成の仕組み構築や多様な働き方への対応が喫緊の課題でした。

そこで、まず働き方に応じて三つの働き方(社員群)を提示することにしました。勤務地・業態無限定のリージョナル社員、一定範囲内に勤務地を限定するタウン社員、業態を限定する業務限定社員です。タウン社員は原則理由を問わず年1回の自己申告により選択可とし、一定期間経過後に再度職群を変更出来るようにするなど柔軟な制度としました。タウン社員は等級上限があるものの、店長などの管理職であっても選択可能です。指導系のマスター・トレーナー、企画系の商品事業部マネジャー・バイヤーなど、専門系の職種も整理しました。

また、基本給における年齢給の割合を縮小し、職能給の割合を増加させたほか、店長、副店長、マスターの職位手当の評価ランクを細分化しました。これにより、一人ひとりの能力及び成果を明確に賃金に反映させるようにしました。
さらに、業績に重きを置いていた評価制度を改め、「達成度」「人物」「プロセス」などに基づく年間職務遂行能力評価を新たに導入しました。業績評価は賞与のみへの反映、年間職務遂行能力は昇格・昇給に反映するなど、評価・処遇のルールを明確化しました。

(つづく)

この記事の専門家

公益財団法人日本生産性本部 主任研究員

吉田浩文

専門商社勤務を経て、2007年に(公財)日本生産性本部に入職。主として雇用管理や働き方に関わる調査・研究、コンサルティングに携わる。2015年より厚生労働省等の委託により、人手不足や従業員の早期離職に悩む企業に対する雇用管理改善支援、好事例のヒアリングなどを行っている。

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