第1回 グッド・ビジネス・アワード 応募者インタビュー

Vol.01 グランプリ受賞 小島 豊美氏

テーマ4:楽「おもてなし」ビジネス

株式会社ジャピール
代表取締役/地歴プロデューサー

小島 豊美

「地歴を伝えて温故創新で都市地域の観光活性おもてなし多言語対応SNS」

応募概要

㈱ジャピールは、日本の文化の豊かさを現代に伝えるために2010年につくった会社です。今回のグッド・ビジネス・アワードには、私が長年取り組んできた、東京23区の地図と歴史情報をデータベース化した「KNOWLEDGE MAP」を多言語対応化させ「おもてなし」ビジネスとして応募をしました。
「KNOWLEDGE MAP」のプロジェクトでは、江戸後期・明治後期・昭和初期(一部制作中)の東京23区にあたる地図を現代地図に重ね合わせ、地図の位置から時代ごとの歴史データを提供できるようにしています。観光はもちろんのこと、あらゆる分野において「KNOWLEDGE MAP」を社会の新しいプラットフォームとすべく、今後ビジネススキームを磨いていく考えです。

KNOWLEDGE MAPのビジネススキーム

Q&A

Q ビジネスを発想されたきっかけをお聞かせください。
A 東京の両国に生まれ育った私は、幼いころから祖父に両国の町の歴史と変遷を聞かされて育ってきました。江戸の切絵図など時代ごとの地図のなかには、豊かな情報が存在し、そこから歴史や文化を知ることができます。しかしそれは新しい建物がつくられ、地図が塗り替えられることで、社会から忘却されていく。例えば、アップルストア銀座ができる前、あそこが子ども服の老舗サエグサだったことを覚えている人は少ないのではないでしょうか。
このままでいいのだろうか、時代ごとの地図を重ねあわせ、そこから文字や画像・動画などの情報を引き出すことができれば、日本人は自分たちの住む町を知り、もっと誇りを持てるようになるのではないか。"地図に時間軸を持たせ、デジタルデータで提供する"そんな発想が生まれたのが20年前のことでした。
しかし、その頃はまだパソコンの性能も今のように高くなく、自分が表現したいことをかたちにできませんでした。また、時代ごとの地図は、その寸尺もちがっているため、現代の地図にあわせて地図を新たに作り直す必要がありました。今、こうやって「KNOWLEDGE MAP」としてかたちにすることができたのは、テクノロジーの進化と私が積み重ねてきた時間とエネルギーがあったからだと自負しています。
Q なぜグッド・ビジネス・アワードに応募されたのかお聞かせください。
A 「KNOWLEDGE MAP」のデータ構築に着手したのは、8年ほど前になります。当然、その頃からビジネスとしての可能性は十分にあると考えていました。しかし、構想だけを話しても「そんなことできるわけない」といわれ、地図を扱う会社に企画を持ち込んでも、相手にしてもらえませんでした。
「絶対に実現させる」そう心に誓いながらコツコツと古い地図や古文書を調べ、ようやく今の山手線内をかたちにしても「どうして世田谷区はないんですか」といわれてしまう。
中途半端な状態で、ビジネスにしようとしても理解は得られない。弓はぎりぎりまで張ってこそ遠くに飛ぶ、ビジネスが大きくなる。やせ我慢かもしれませんが、下手に営業活動をするより、誰もが納得できるかたち、東京23区をかたちにすることを目標にしました。
今回、グッド・ビジネス・アワードに応募したのも、江戸後期・明治後期の東京23区をかたちにでき、世の中から可能性を感じてもらえる状態まできたからで、満を持しての応募といってもいいでしょう。
「KNOWLEDGE MAP」は単なる地図のスキャニングではない。時代ごとの地図情報を全てGIS(地理情報システム)ソフトによりデジタルデータ化しているため、江戸時代の地図は現代の地形と完全に一致している。
さらに地図画像に要素ごとのレイヤーを持たせ、区分された土地にさまざまな情報を紐づけることができる。
Q この事業のビジネスの可能性についてお聞かせください。
A 私は独立する前は、レコード会社に勤務し、「ひらけ!ポンキッキ」などの幼児番組で、「およげ!たいやきくん」「いっぽんでもニンジン」などの多くの楽曲をプロデュースしてきましたから、ビジネスとして大きくなるコンテンツがどういうものかを熟知しているつもりです。その絶対条件は、本物であること。「KNOWLEDGE MAP」が、社会のプラットフォームデータとして個人向けから法人向けまで多様なビジネスモデルが考えられるのは、それに耐えうるだけの、精度をもった余人をもって代え難いデータベースだからです。
子どもから学術研究者まで幅広い教育分野で活用できますし、地域振興を図るツールをにもなるでしょう。今回、グッド・ビジネス・アワードに応募した内容の通り、GPS機能をもち、多デバイス・多言語対応も可能になっているので観光や交通といったサービス事業にも活用できます。実際に、グッド・ビジネス・アワードでグランプリを受賞し、5~6社からお問い合わせをいただいていますが、そのなかには交通サービス事業者さんもありました。その他にも、情報産業、出版、不動産・ディベロッパー、企業のブランディングなど、考えればきりがありません。
つまり、私は版下原稿をつくっているようなもので、仮に私がいなくなっても、版下さえあれば、誰もが江戸・東京の壮大な歴史地図のデータを自分用にカスタマイズできる。それがこの企画の根っこだと思っています。
Q 今後の取組みについてお聞かせください。
A 現在、江戸後期・明治後期をかたちにしていますが、まだまだやることはたくさんあります。今取り組んでいるのは、関東大震災後、太平洋戦争による被害が生じる前の昭和16年のデータ構築です。また、戦後から昭和39年の東京五輪のタイミングでも東京の町は大きく変化しているので、ここにも着手しなくてはなりません。
一方で、ニーズに対応したエリア拡大、情報の高濃度化も必要です。例えば、神奈川エリアへの拡大や銀座・日本橋をはじめ江戸城の近隣エリアはまだまだ紹介したい情報が山ほどあります。その表現法も文字や画像のみならず、動画・音楽など現代の歴史に近づけばよりエンターテイメント性も高めることができるでしょう。
誰にでも、町の歴史を一元的に理解してもらえる社会のプラットフォームデータ「KNOWLEDGE MAP」は、多くのパートナーとつながることで、より進化し、より役立つものになると私は信じています。

COMPANY DATA

  • 株式会社ジャピール
  • 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-28-1 倉木ビル2F
  • TEL:03-6272-6416 FAX:03-6272-6417
  • http://jappeal.jp

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