第1回 グッド・ビジネス・アワード 応募者インタビュー

Vol.05 ファイナリスト 黒澤 法導氏

テーマ2:食 「ごはん」ビジネス

一般社団法人 超人シェフ倶楽部

専務理事 柳 丈久
プロデューサー 黒澤 法導

「美味認定」

柳氏 黒澤氏

応募概要

日本には、まだまだ地味かもしれませんが、生産者がこだわりぬいた美味しい食品が多く眠っています。その本物の"おいしさ"を発掘し、食にこだわる人々にお伝えし、味わっていただく機会を広げる。それは、日本の食を豊かにするとともに、世界に向けて日本食の素晴らしさを発信することにもつながると考えています。
超人シェフ倶楽部は、会長に和食の中嶋貞治(新宿・割烹中嶋)、副会長にイタリアンの片岡譲(西麻布・アルポルト)を据え、さらには、道場六三郎・陳健一・坂井宏行の弟子など若手ながらも日本の食文化を未来に、海外に伝えたいという一流シェフがメンバーとして所属しています。彼らの厳しいながらも、食に対する愛情あふれた評価によって生まれる『美味認定』の"おいしさ"との出会いは、日本人の皆さんが日本の食文化が優れていることを再認識していただけることにつながると確信しています。

美味認定ビジネスの概要
美味認定

Q&A

スーパー給食
Q 「超人シェフ倶楽部」とはどのような団体なのですか。
A 発足のきっかけは2004年に起きた新潟県中越沖地震です。「被災者の皆さんが食べるのに困っているのを、ただテレビなどで見てることは出来ない。食事を届け、応援したい。」そう感じた私たちと一部のシェフたちは、ありったけの食材をトラックに積んで、新潟に向かい、被災者の皆さんに食事をふるまいました。子どもからご高齢の方までとても喜んでくれて、感謝されました。その時、参加したシェフたちのなかに、自分たちは食を通じて社会にもっと貢献できるという気持ちが芽生えたのです。
2005年に食育基本法が制定されましたが、当時は「食育って、そもそも何だろう?」という議論が起きた頃で、どうやって推進するのか皆が模索段階だったところ、服部幸應先生(服部栄養専門学校校長)が「給食がわかりやすいのではないか」と助言をくださいました。そこで私どもは、一流のシェフたちが、学校栄養士、調理員とともにメニュー作りから調理までを行い、子どもたちに本物の味を体験させ、食事への関心を高める活動「スーパー給食」を2005年にスタートさせました。以来「子ども達への食育」、「地元の農業など食に関連する産業への理解の促進」、「地域産業の発展」、「地域の食情報の発信」などをテーマに活動を続けています。このような背景もあり、2009年には一般社団法人として組織体を整備しました。
会長 中嶋貞治(新宿・割烹中嶋) 副会長 片岡譲(西麻布・アルポルト)
Q 「美味認定」の事業はどのような背景から発想されたのですか。
A 世界的にはモンドセレクションが食品を評価する機関として有名です。しかし、梅干し、味噌といった日本の伝統食品の本物のおいしさを海外の審査員がどれだけわかるのかな、と思ったのがきっかけです。一方、日本国内では、有名人やグルメジャーナリストといった方のお墨付き商品はあっても、その評価はバラつきがあります。だったら、自分たちの舌(味覚)とネットワークを活かし、誰もが納得できる一流シェフがきちんと美味しさを評価できる仕組みをつくろう、それが『美味認定』の事業の背景です。
事業としては、応募される企業・団体から審査費用をいただき、「超人シェフ倶楽部」に所属する38人のシェフによる審査を経て『美味認定』を決定します。認定を受けた食品は一定期間、認定マークを付けて販売していただけるようにします。審査するシェフは、味を単に評価するだけでなく、最終審査に残った優れた商品については、シェフの知識や経験を活かし、アドバイスなども行うことも考えています。
専務理事 柳 丈久氏
Q 審査の対象や基準はどのようになる予定ですか。
A 審査対象は、安定した品質を提供できる加工品を中心にスタートしていこうと考えています。日本全国でがんばる生産者さんの支援が『美味認定』の背骨なので、大手のメーカーさんのナショナル・ブランド商品は対象外になると考えています。また、日本企業であること、品質管理がされた安全であるものであることは大前提ですが、国産原材料100%といった点にはこだわっていません。春・夏・秋・冬・正月・通年など、季節性を考慮した受け付け方をしたいと考えています。
審査基準は、絶対基準にします。ポイントはあくまで、日本の旬の素材の味をいかに引き出しているか、そして食感の楽しさといった、味わうおいしさです。「あんしん・安全の先に美味しさがある」と考えていますので、安全性・衛生などについては、予備審査段階で問題ないことを確認しますが、美味認定としては、「美味しさ」に特化して評価をしたいと考えています。
当然、シェフの評価にはばらつきがあります。しかし、だからこそおもしろい。シェフは、海外に行くと、和食の料理人、イタリアンのシェフということではなくなって、みな、日本のシェフといわれるんですね。料理人の大抵は、キャリアのどこかで和食の修行をしていて、基本は、みな似通っています。でも、シェフの感性から解釈に違いが生まれ、そこに議論が生まれます。最終審査では、シェフ同士が自己の解釈をぶつけあいながら、協議の上で『美味認定』を決定していこうと考えています。
経験上、われわれには、それが出来る、と自信をもっています。
プロデューサー 黒澤 法導氏
Q 最後に今後の事業計画と抱負についてお聞かせください。
A 今年の梅雨前後には、応募の受付をスタートさせ、夏から秋にかけて審査を行い、年内には第一回目の『美味認定』を発表する計画です。このサイクルを年1~2回を目安に回していきます。
また、『美味認定』そのものの認知やブランド力も高めていく必要がありますので、今後は流通さんへのプロモーション活動が重要になってきます。しかし、派手なプロモーションばかりに気を取られてしまうと、一過性のものに終わってしまったり、かえって『美味認定』のブランドを傷つけてしまうことにもなりかねません。そうしたことが起きないように、超人シェフの名を冠するにふさわしい行動を取りたいと考えています。
将来的な抱負という点では、食品だけでなく、食にまつわるさまざまな商品、例えば食器や調理器具なども対象にしていければいいですね。それから、海外に向けての『美味認定』の発信は、ぜひ実現させたいと思っています。昨年末に和食がユネスコ無形文化遺産として登録されましたが、和食という食文化に根ざしながら、そのクォリティを多彩に表現しているのが、超人シェフたちです。彼らの食に対する審美眼をジャパン・クォリティとして発信しながら、生産者のこだわりを適切に引き出して発信し、『美味認定』として認められた商品を国内外にアピールすることができれば、日本の食文化の担い手に光が当たり、生産条件の改善にもつながっていく。そのお手伝いをしたい、そう願っています。

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