技術のブランド化 ~デザインが持つ力 本質的価値の創造 vol.11~

執筆者:廣田 尚子

更新日:2016年08月22日

技術のブランド化

技術のブランド化

(vol.10の続き)

 日本には高度な技術が数多くあり、手にすると仕上がりの質が素晴らしく魅力的な様に度々感動する。しかし、高い技術から生まれた優れた製品といえども、モノが売れない時代に市場で成果を上げるのは容易ではない。

 それでは、技術に立脚した日本がビジネスを成功させる有効な手段は何だろうか。ブランド戦略は、製品やサービスを簡潔に表現して顧客に共通のイメージを持たせ、その価値を高めることができる。その対象は製品に限定しないため技術のブランド化も可能だ。

 よく知られる例ではトヨタの衝突安全技術ブランドGOAがあり、このブランド化によってトヨタは企業イメージに「安全」の軸を確立した。技術が企業の根幹となっている中小企業においても、企業価値を高める方法の一つだと考える。

 東京ビジネスデザインアワードでは、石川金網株式会社と3人の複合的クリエーター =松田龍太郎氏(プロデューサー)、中西香菜氏(プロダクトデザイナー)、土屋勇太氏(アートディレクター)によって技術ブランドKANAORIが生まれ、反響を呼んでいる。石川金網は、金網素材と金網を使用した製品加工の技術を有する。KANAORIでは、ステンレスや真鍮・銅など異なる素材をひとつの金網に織り上げる特殊な技術をブランド化している。金網に美しいカラーが生まれ、テキスタイルのように繊細な素材感を表現して技術を可視化した。ネーミングは「金」と「織」を合わせて「KANAORI」とし、ロゴは造語を漢字表現にしたことでブランドの価値を訴求したデザインとなっている。カラフルな金網は最終製品ではなく、素材で販売することで技術のブランド化を図った。市場のカテゴリーを限定しないため、広がりのある展開を引き寄せている。

(vol.12に続く)

この記事の専門家

プロダクトデザイナー

廣田 尚子

ヒロタデザインスタジオ代表、女子美術大学教授、多摩美術大学客員教授
東京生まれ。東京芸術大学卒業。GKインダストリアルデザインを経て独立。
ビジネスデザインを立脚点にマネジメント・製品開発をトータルにプロデュースする。
東京ビジネスデザインアワード審査委員長
2014年RED DOT DESIGN AWARD(ドイツ)
2015年グッドデザイン賞2016年IFデザイン賞(ドイツ)
REDDOT DESIGN AWARDなど受賞多数

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