感情労働への組織的支援-三層支援体制 ~「感情労働」への組織的支援 vol.16

執筆者:田村 尚子

更新日:2017年04月21日

感情労働への組織的支援-三層支援体制

(vol.15の続き)

 さらに、その背後には、管理者や現場の感情労働従事者を後方から見守り強いリーダーシップを発揮する経営トップの支援が極めて重要となる。B病院長(前々回)は、こうした経営者のあり方について著書の中で次のように述べている。「経営者自身が経営理念の真剣な実践者であることです。そのうえで、働く人が最低限の精神的消耗度で、個々の能力を十分に発揮し活用できる状態、活き活きと楽しく、やりがいと夢をもって働ける状態を作ることです。そのためには、五感を駆使してたえず組織全体を見渡し、異常な空気や不健康な雰囲気が充満していないかをたしかめなければなりません。同時に、一人ひとりの心のありようと行動に思いをはせ、みなが健康な精神状態を保っているかを感じ取る必要があります」(『いのち輝くホスピタリティ』)。組織の規模や業種・職種を問わず、経営トップの強い支援への姿勢は非常に重要である。
 複数回に亘り感情労働への組織的支援について検討してきた。支援の枠組みは、個人および個人を支援するチーム(上司・同僚)、チームを支援する管理者、さらに前二者を支援する経営者の三層構造となる。
 この三層支援体制が相互に連関しながら有効に機能するためには、働く人の精神的健康を重要課題とする労使の想い、経営理念の徹底、経営トップの強い使命が必須となる。感情労働は不可視性が高く、従事者の精神状態は周囲からは気づかれにくい。だからこそ、対人サービス従事者が現場でイキイキと働いているかどうかが、組織としての真の実力を測る試金石といえる。

 (おわり)

この記事の専門家

西武文理大学サービス経営学部 教授

田村 尚子

上智大学法学部卒、学習院大学大学院修了

銀行役員秘書、昭和女子大学非常勤講師等を経て現職

専門は経営組織論、サービス・マネジメント、キャリア論
論文に「対人サービス従事者の感情労働に対する組織的支援のフレームワークに関する一考察」等

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