これからのキャッシュフロー活用法 2 ~営業キャッシュフロー編~

執筆者:柿本 美沙

更新日:2017年10月30日

自社に合う評価基準を策定

(1の続き)
 キャッシュフローを人事評価に取り入れる手法について、今回と次回に分け、具体的に考えていく。

(1)営業CF(キャッシュフロー)を活用する
 営業CFは「営業利益+減価償却費−運転資本増加額」と大まかに表すことができる。これを管理職への評価に用いると、「自部門で生み出したキャッシュはいくらか」を意識させることができる。
 このとき、業種・業態によってその評価基準をカスタマイズすることが望ましい。

 評価の要素に、売上高だけでなく売上債権や貸し倒れ件数なども対象とすることで、「売上を確実にキャッシュに変える」意識を強化できる。期中でのキャッシュインを考慮し、決算月に無理をせず早期に売上計上するインセンティブも働く。また売掛金回収サイクルの短期化自体は難しいにせよ、売上欲しさに与信管理が甘いまま受注することによる回収不能リスクを抑えることに繋がる。
 これは、新規取引先が多く発生する企業や、売上原価率が高く貸し倒れによる損失リスクが大きい企業にとって有効である。

 また、キャッシュフロー算出では控除される「運転資本 (売上債権+棚卸資産−仕入債務)の増加額」が評価基準に含まれる場合、キャッシュの最大化のために、むやみに在庫を抑え過ぎてしまうケースも考えられるため、受注機会損失への留意が必要だ。
 これを回避するため、運転資本は除外し「営業利益+減価償却費」をベースにしながら独自のキャッシュフロー評価基準を設計している企業も存在する。この企業では、従業員の事業投資能力を鍛えることを目的に、配当金などのキャッシュも加味した評価基準を策定している。

 このように、「どのようなインセンティブが働くか」を熟考しながら、自社に合った評価基準を設計してもらいたい。

これからのキャッシュフロー活用法 3に続く

この記事の専門家

柿本 美沙

中小企業診断士。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。
大手OA機器メーカー系販売会社にてITソリューション営業に従事。法人相手に、経営課題解決に向けた提案型営業を実施。その後、人材系広告会社に転身し、グローバル人材ニーズのある企業を中心に人材採用支援についての提案活動に従事。現在は独立開業し、若手法人営業向けの教育コンテンツ開発やトレーニングを実施。また主に大手企業を対象とした財務会計系の法人研修ビジネスに携わり、企業ニーズに合わせた教育コンテンツの企画提案、開発を実施している。

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