組織としての営業力の鍛え方 1 ~課題抽出編~

執筆者:柿本 美沙

更新日:2018年02月16日

処方箋は正しいか

 「ウチには自慢のカリスマセールスマンがいるから安泰」「だけど、このセールスマンがもし辞めたら業績はあっという間に低迷する。わかってはいるけど、個人に依存した体質から抜け出せない!」
 こんな気持ちを心の片隅に持った経営者は意外に多いのではないだろうか。また、そもそも頼れるセールスマンがいなくて困っている、という会社も少なくはないだろう。

 しかし、会社の営業力は、個人のセンスに頼っていてはいつまで経っても安定成長できない。
 「営業力」は、会社の資産として鍛えるべきものなのだ。つまり、会社組織としての営業力の鍛え方を考えなければいけないのである。

 まず、「売上未達」という事態に直面した場合、自分が責任者だとしたら営業組織にどのような対策を講じるだろうか?
 営業力強化の施策がゼロという会社は、今どき少ないだろう。テレフォンアポイントメントを強化したり、社内外での研修を受けさせたり、キャンペーンを契機として営業しやすくしたりなど、さまざまな取り組みが挙げられる。

 だが、今一度考えてほしい。
 今取り組もうとしているその対策が、ベストな処方箋だと言い切れるだろうか。
 例えば、「営業トーク力が弱いかもしれない」と感じたために、スキル研修を企画するケースなどはよくみられる。しかし、本当はスキル(質)の問題ではなく、単に提案量(数)を増やすマネジメントをすることが売上達成の近道の可能性もある。

 あるいは、トーク力ではなく提案後のフォローやクロージングの仕方に弱点があることも考えられる。もしかしたら、そちらを克服したほうが売上達成に即効性があるのかもしれない。
 そういったあらゆる課題とその対策を吟味したうえで、「今何をすべきか」を選んで実行しているだろうか。
 言い換えれば、「その課題解決が現時点で売上達成に最も効果的だと言い切れるのか」ということを考え直してもらいたい。

 この処方箋を間違うと、治ったと思った症状はぶり返す。根本の課題は解決されないまま、知らぬ間に売上達成への道は遠のいていく。スキル研修などのあらゆる対策をとにかくこなしてみるのではなく、あらゆる課題を吟味するほうが先決だ。経営資源の限られる中小企業にとって、特に生産性の高い営業組織を効率的に生み出すために、まずは課題抽出に注力してもらいたい。

 次回は、営業における根本課題の早期発見について紹介する。

組織としての営業力の鍛え方 2に続く

この記事の専門家

柿本 美沙

中小企業診断士。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。
大手OA機器メーカー系販売会社にてITソリューション営業に従事。法人相手に、経営課題解決に向けた提案型営業を実施。その後、人材系広告会社に転身し、人材採用支援についての提案活動に従事。現在は独立開業し、主に大手企業を対象とした財務会計系の法人研修ビジネスに携わり、財務諸表への理解や投資の経済性等の内容を主体としながら、企業ニーズに合わせた教育コンテンツの企画提案、開発を行っている。

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