熱意ある若手に育てる
欧米では以前から盛んに行われている「エンゲージメント調査」。これは、「仕事にやりがいがあるか」「この職場に居続けたいか」などの観点から社員の主体性を測るものだ。
2017年、米国の調査会社が世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント調査によれば、日本は「熱意あふれる社員」の割合が世界で最下位クラスだった。つい先日の新聞記事にも、企業経営にとって警鐘を鳴らしている、との言及があった。
エンゲージメントという言葉は、「熱意」や「社員意識」という日本語でよく訳される。特に欧米では、社員の不満を放っておくと優秀な人から転職してしまう、という危機感が定着している。そのため、経営者はこのエンゲージメントには敏感だ。
一方で、日本でも転職によって個人が成長を追い求めるという思想は徐々に浸透してきていると感じる。経営者にとって、社員のエンゲージメントを高めて有能な人材を定着させることは事業継続に関わる大きな要素となってきている。
しかし、このエンゲージメントを高めることは、はっきり言って難しい。
1つの有効な手段は、社員が若手のうちに力を注ぐことだ。ゼロからビジネスマインドを形成する若手の時期に受けた影響は、生涯に渡って本人のマインドの土台となる。従って、この時期に会社に積極的に関わり続けたい、という思考を持つ人材に育てられるかどうかが重要なのだ。
もともと受動的な日本人だが、特に、今の若者は「仕事に誇りを持つ」「仕事の価値を見出す」ということを自らの力で行うことが得意ではないように思う。頑張れば頑張るほど稼げる、またはどんどん昇進できる、といったバブル時代的発想がないため、意欲が熱しにくいのだ。
こんな時代だからこそ、いまの若手社員をどう育てるべきか。社会人の先輩としての立ち居振る舞いを考えていく。
次回は、若手社員に伝えるべき仕事の意義や価値観について説明したい。
この記事の専門家

柿本 美沙
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