会社を活性化させる若手社員をどう育てるか 2 ~価値観編~

執筆者:柿本 美沙

更新日:2018年03月05日

「きれいごと」を伝え続けよ

(1の続き)
 古代ギリシアの石職人の話をご存じだろうか。
 3人の石職人に対し、旅人が「何のために石を切るのですか?」と質問を投げかけた。
 1人目は「給与をもらうため」、2人目は「腕の立つ職人になるため」と答えた。
 そして3人目は、「この町の人々に憩いの場をつくるため。この教会ができれば多くの人が心を平和に暮らすことができる。私はこの仕事に出会えて幸せだ」と答えた。

 同じ仕事でも、価値の見出し方は人それぞれで全く異なる、という有名な例え話だ。

 多くの若手社員は、慣れない仕事に毎日を追われて視野が狭くなりがちで、3人目の職人のように、いかに目の前の仕事の価値が大きいかを考える余裕は全くない。だからこそ、仕事の意義や価値はしっかりと伝えるべきだ。

 仕事の意義や価値とは、ともすれば「きれいごと」に聞こえるようなものだ。例えば、自分が携わる仕事の社会的な意義、創設者の熱意、顧客からお金を頂くことで提供できる価値など、日々の業務をこなす上では無視しても支障がないようなことである。
 しかし、ビジネスマインドを育てるには非常に大切な観点だ。そしてベテランの社会人にとっては、言葉にする必要のないほど暗黙の常識とされているものである。
 このような「きれいごと」を、時間が経てば若手社員が自然に吸収してくれると思っていたら、それは大きな間違いだ。何度も繰り返し伝えなければ、忘れ去られると思った方がいい。結局、目の前にある毎日の仕事は大きく変わらないからだ。

 もちろん、石職人の1人目が言う「待遇」や、2人目が言う「能力」の面においても会社は整えていかなければならない。給与や能力開発を重視する人材も多いため、3人目のような思想に導くことだけが正解ということではない。

 ただし、「きれいごと」への価値を共有できるようになれば、やりがいを見出せるようになるし、自主性も育つ。仕事に疲弊し精神的に辛くなったときでも、社内の上司や先輩とともに成長しようという気持ちも高まるだろう。
 次回は、若手社員の管理・指導方法を説明したい。

会社を活性化させる若手社員をどう育てるか 3に続く

この記事の専門家

柿本 美沙

中小企業診断士。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。
大手OA機器メーカー系販売会社にてITソリューション営業に従事。法人相手に、経営課題解決に向けた提案型営業を実施。その後、人材系広告会社に転身し、人材採用支援についての提案活動に従事。現在は独立開業し、主に大手企業を対象とした財務会計系の法人研修ビジネスに携わり、財務諸表への理解や投資の経済性等の内容を主体としながら、企業ニーズに合わせた教育コンテンツの企画提案、開発を行っている。

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