3つの視点で若手を見る
(2の続き)
若手社員のエンゲージメントが低くなる要因として考えられることは何か。
最悪なのは、「どうせ、会社は自分のことなんて見ていない」と思わせることではないだろうか。自分への無関心を感じ、自分の存在意義を見出せなくなったときに、もっと居心地の良い場所を求めるのは人間として当然だ。これを回避するには、マネジメント層がいかに若手社員の行動を気にかけているかという姿勢を示さなければならない。
マネジメント層に必要な視点として、以下の3つの目に当てはめて考える。
まず、大局的な視点で示唆するための「鳥の目」。若手社員の強みを見つけ、どのような可能性が期待できるのかを俯瞰し示していく。前回で述べた「きれいごと」と若手社員本人の思考とを重ね合わせ、ビジネスパーソンとして指南する場面で必要となる観点だ。
次に、細かい部分まで着目する「虫の目」。目の前の仕事をどのように取り組むべきかを多方面で詳細に指摘する。これは、日々の仕事のスキルアップに実際的に必要となる指導の目だ。
そして、特に重要なのが、変化を発見する「魚の目」。以前の言動と比較してどのように変化し、成長が見られるのか。そこから新しく生まれた課題は何か。その上で、今後目指す姿は何なのか、などを捉え伝えていくための視点だ。
過度な管理は若手社員にネガティブな効果を生み出し、逆にエンゲージメントが損なわれる可能性もある。マイクロマネジメント(強い監督、干渉)は禁物だ。ただ、視点を変えながらアプローチを続けることで、若手社員本人の成長に寄り添うとともに、常に次に目指すべき姿を示してあげられるかどうかが肝心だ。
古き年功序列文化により「社員の気持ちに鈍感」などといわれる日本企業だが、若手社員のエンゲージメントを育てることができれば、「この会社に貢献したい」と思う人材も生まれやすくなるだろう。そう思われる会社が国内に少しでも増えてもらいたい。
この記事の専門家

柿本 美沙
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