中小企業経営に活かす「事業性評価」 2 ~事業性評価の項目編~

執筆者:兵藤 徹

更新日:2017年10月26日

事業性評価は企業と金融機関の共通言語

(1の続き)
 事業性評価とは、金融機関の指標として使われるものであり、取引について企業を評価する際、決算書の数値や担保・保証によるものだけではない評価のことである。では、具体的に事業性評価はどのように行われているのだろうか。以下にそれを見ていこう。

 前回述べた「金融仲介機能のベンチマーク」だが、多くの金融機関がそのベンチマークで、どのような評価項目を活用しているのかを公表している。しかし、その評価項目に含まれる事業性評価については、多くの金融機関は具体的にどのように評価しているのかを公表していない。一方で、例えば百五銀行(本店:三重県津市)では、事業性評価について「取引先企業の収益の源泉となる差別化要因を把握することで、事業継続を可能とするための経営課題を抽出し、経営者と一緒に解決に取り組むとともに、事業継続可能性と成長可能性を含む企業価値を見極めたうえで、適切な与信対応を行うこと」と定義しており、その評価シートの項目を次の通り公表している。

  1. (1)会社概要
  2. (2)組織図
  3. (3)ビジネスモデル(商流)(収益の源泉)(部門別採算)
  4. (4)内部管理モデル(業務フロー)(収益等管理状況)
  5. (5)市場と競合環境(価格競争力)(差別化)(独自性)
  6. (6)財務・資金繰り・借入の状況
  7. (7)設備投資計画
  8. (8)強みの把握
  9. (9)経営者
  10. (10)経営課題と経営方針
  11. (11)経営計画の概要

 これらの項目だが、経済産業省から発表されている「ローカルベンチマーク」の「非財務情報」の項目といくつか共通する部分がある。ローカルベンチマークとは、企業の経営状態を把握する(いわば健康診断を行う)ためのツールであり、企業の経営者や金融機関・支援機関などが企業の状態を把握し、互いに同じ目線で対話するための基本的な枠組みであり、事業性評価の入口としての活用が期待されるもの。そして、それは企業や経営者の状態について数値で表しにくいものを文章などで表現したものである。

 事業性評価は、金融機関が自らの取引先企業について行うことが主目的となっており、一方、ローカルベンチマークはより一般的で企業などが取り組みやすいものとなっている。事業性評価は、金融機関の担当者が企業経営者などにヒアリングして記入する。それを金融機関内で共有し、取引先企業との付き合い方を決めていくことになる。
 次回は、事業性評価を自社の経営にどのように活かしていくのかを説明する。

中小企業経営に活かす「事業性評価」 3に続く

この記事の専門家

兵藤 徹

中小企業診断士、1級販売士、静岡県商工会連合会小規模企業パワーアップ支援事業専門家、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格者、食の6次産業化プロデューサーLevel3

地方公務員として、用地取得業務、税務賦課・収納業務、公園・施設管理業務などに従事。中小企業診断士として独立後は、補助金の申請援助、ものづくり補助金事業者のフォローなどを行っている。農林水産業、飲食業に詳しく1次産業と3次産業を繋いでいる。事業性評価については、金融機関勤務中小企業診断士などと研究を続けている。

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