身近な産業財産権である商標権・意匠権 2 ~商標編~

執筆者:兵藤 徹

更新日:2017年12月08日

他社と区別するための商標

(1の続き)
 先代が創業したときから使い続けてきた商品名。看板商品として、これからも売り続けていようと思っていた。しかし、ある日、他社からその商品名を使わないように求められたら、どうすればよいだろうか。

 「商標」とは、事業を行うものが、自社(自己)の扱う商品やサービスを、他社(他者)の扱うものと区別するために使用するもの(マーク・識別標識)である。消費者は、商品の購入やサービスを受ける際に、企業や商品のマークや商品名である商標を、他のものと区別するために利用している。
 事業者が継続して商品やサービスを提供し、消費者の信用を積み重ねた結果として、商標に信頼や安心などの「ブランドイメージ」を得ることができる。「商標権」はこのようなマークやネーミングを財産として保護するものである。

 商標には、文字、図形、記号、立体的形状、これらを組み合わせたものなどがあるが、2015年からは、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標も商標登録ができるようになった。
 商標は、単にマークやネーミングだけではなく、その商標をどのような「商品」「サービス」に使用するかを組み合わせて登録することになっている。

 商標は、特許庁に出願し、審査を経て登録されることにより権利となるが、先に「使用」していたかどうかではなく、先に「出願」した者に権利を認める先願主義である。登録された商標は、権利者による独占的な使用権が認められ、第三者の類似商標の使用を禁止することが認められている。
 つまり、よほどの知名度があるなどの例外に該当しない限り、先に使っていたとしても、別の事業者が商標を登録してしまえば、屋号や商品名も使えなくなってしまう恐れがあるのだ。

 商標権は10年が存続期間となっているが、何度でも更新登録を行うことができるため、現実的には永続的な権利となる非常に強い権利である。

 どのような商標が登録されているかは、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で検索、確認することができるが、検索にはある程度の知識・テクニックも必要である。そのため、各都道府県に設置されている「知財総合支援窓口」の活用をおすすめしたい。窓口相談員が商標についての基礎知識から活用方法まで無料で相談に応じており、訪問での相談も行っている。専門家である弁護士や弁理士の相談日も設けられており、商標を専門に活動している弁理士の相談日を設けているところもあるので、ぜひ活用したい。
 次回は、製品のデザインの権利である「意匠権」について解説する。

身近な産業財産権である商標権・意匠権 3に続く

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この記事の専門家

兵藤 徹

中小企業診断士、1級販売士、静岡県商工会連合会小規模企業パワーアップ支援事業専門家、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格者、食の6次産業化プロデューサーLevel3

地方公務員として、用地取得業務、税務賦課・収納業務、公園・施設管理業務などに従事。中小企業診断士として独立後は、補助金の申請援助、ものづくり補助金事業者のフォローなどを行っている。農林水産業、飲食業に詳しく1次産業と3次産業を繋いでいる。公益社団法人愛知県中小企業診断士協会の「日本弁理士会東海支部との連携プロジェクト」メンバーとして、中小企業診断士と弁理士が連携して行う中小企業への知財支援の研究・実践を行っている。

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