新入社員の戦力化を促進するOJTのコツ 2 ~制度見直し編~

執筆者:秋田 和洋

更新日:2017年11月13日

目的と位置づけを見直す

(1の続き)
 新人を効果的に戦力化するためには、OJTをどのように見直す必要があるだろうか。ポイントは「目的」と「位置づけ」を見直すことである。

(1)OJTの目的
 まずは「OJTの目的」について、どのように捉えているか考えていただきたい。おそらく多くの人が「新人を育成するため」と頭に浮かぶのではないだろうか。だが、果たして本当にそれだけでOJTが成功したといえるのだろうか。

 新人が成果を上げられる状態になることはもちろん成功である。ただし、指導担当者に目を向けるとどうだろうか。業務時間内は新人の面倒を見ることが負担になり、自分の業務は時間外に対応することが増えたという指導担当者の声をよく聞く。
 さらに、育成することは指導担当者自身の評価には反映されないため、指導担当者に指名されることを避けるような雰囲気が漂っている企業も多いという。この問題を解決するために、「OJTの目的」に「指導担当者の成長」という観点を付け加えるべきであると考える。
 そのためにも、「OJTの位置づけ」を検討する必要がある。

(2)OJTの位置づけ
 企業によって育成方針や人員構成が異なるため、課長など役職を持った人が指導担当者を担っている企業があれば、経験を積ませるために2~3年目の若手社員を任命する企業もあるだろう。ここでは「指導担当者経験を管理職への昇格要件」として位置づけることを提案したい。
 多くの企業では、プレーヤーとして高い評価を受けた人が管理職として登用されているのではないだろうか。「仕事ができる」ということは管理職として欠かせない要素の一つである。ただし、それだけでは十分でない。管理職として自分で成果を上げるだけでなく、部下に成果を上げさせることが求められる。リーダーシップや人を動かす力と言い換えてもよい。

 リーダーシップ論については様々な研究がされているが、1964年にムートンとブレイクによって提唱されたマネジリアル・グリッド論によれば、「業績への関心」だけでなく「人への関心」も兼ね備えたリーダーが理想的だとされている。
 指導担当者として指名される者は、管理職候補者として人に向き合う経験を積むことができ、企業がその経験を正しく評価することで本人にとって名誉となる。また、企業としても社内に人を育てる文化が定着するという効果が期待できるのではないだろうか。
 次回は、設計したOJT制度を適切に機能させるに当たって指導担当者が留意すべきポイントを紹介する。

新入社員の戦力化を促進するOJTのコツ 3に続く

この記事の専門家

中小企業診断士

秋田 和洋

横浜国立大学教育人間科学部 卒業

株式会社ウィル・シードにて大手企業を中心に主に新入社員や若手社員向けの教育施策のコンサルティングに従事。新入社員・若手社員が活躍するための場としてOJT施策の導入支援も多数経験。2016年4月、中小企業診断士登録。現在はこれまでの経験と資格を活かし、グローバルコンサルティングファームにて企画・人事・経理といったコーポレート機能を担い、経営層のサポートをしながら、チームの若手メンバーの指導にあたっている。

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