新入社員の戦力化を促進するOJTのコツ 3 ~実践編~

執筆者:秋田 和洋

更新日:2017年11月13日

要点を理解させ、効率化

(2の続き)
 「目的」と「位置づけ」について見直しを行えば、残るは実践である。新しいOJTを機能させる具体的なポイントを3点紹介する。

(1)業務着手前に何を学ぶ機会かを伝える
 直前まで携帯電話の画面を見ていたはずなのに、「今何時?」と尋ねられて再度携帯電話の画面を確認する、という経験がある人も少なくないのではないだろうか。このように、人は意識していないことはたとえ目に入っていたとしても認識できない。
 闇雲に新人に業務の経験を積ませたとしても、その業務のポイントを意識させないままでは、せっかくの貴重な経験をノウハウとして蓄積できない可能性がある。新人が新たな業務に関与する際には、この業務を通して何を学んでほしいか、ポイントは何なのかを事前に伝えることで、そこに意識が向き業務理解が効率的になる。

(2)業務遂行中にコミュニケーションをとる
 新人に仕事を依頼したところ、期限間際になってようやく8~9割完成した(つもりの)成果物を見せに来た。そんな経験をした指導担当者も少なくないだろう。
 新人が最初から100点満点の成果物を作成できるのであればよいが、新人には難しい注文である。依頼する側としては早い段階で確認できれば修正を指示しやすいが、期限ぎりぎりであればその余地は小さくなる。結果として新人への仕事の依頼が減少し、成長機会を得られないままになってしまう。

 この問題を解決するためには、報告・連絡・相談(以下「報連相」という。)を徹底させることが重要である。密な報連相によって、軌道修正を適宜しながら業務を遂行させ、成果を上げさせる。これは管理職としても必須の能力である。部下が複数いる場合、それぞれの業務の状況を把握するためには部下からの報連相に頼らざるを得ない。報連相を通じてお互いの考え方をすり合わせることで報連相による意思伝達の精度を高め、適切なアドバイスをしやすい状態を作ることが重要である。

(3)業務完了後に振り返りを行う
 やったらやりっぱなしでは、せっかくの経験が次に活かせない。指導担当者の支援がなくとも新人が成果を上げられるようにするためには、業務を通じて得た知識や考え方を自分自身の言葉で語れる状態にすることが望ましい。
 そのためには、振り返りの際に指導担当者が一方的にフィードバックを行うのではなく、何を学んだか、次にどう活かすかを聞いてあげることが必要となってくる。新人が話しやすい環境を作るためにも、通常の業務とは時間、場所を区切って振り返りを行うことも大切である。

 OJTを通じて新人を効率的に戦力化することは、昔から存在する課題である。魔法の杖のような解決策はない。日々、企業が腰を据えて人材育成に向き合うことが重要である。

この記事の専門家

中小企業診断士

秋田 和洋

横浜国立大学教育人間科学部 卒業

株式会社ウィル・シードにて大手企業を中心に主に新入社員や若手社員向けの教育施策のコンサルティングに従事。新入社員・若手社員が活躍するための場としてOJT施策の導入支援も多数経験。2016年4月、中小企業診断士登録。現在はこれまでの経験と資格を活かし、グローバルコンサルティングファームにて企画・人事・経理といったコーポレート機能を担い、経営層のサポートをしながら、チームの若手メンバーの指導にあたっている。

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