労働生産性を高める1つの方法
現在、日本では急速に少子高齢化が進んでいる。総務省が実施している「国勢調査」によれば、1970年には総人口の24.0%を占めていた15歳未満人口が、2015年には12.6%に減少している。今後もこの傾向は続くとみられ、結果として国内の労働力人口(15~64歳)は、2015年の7,728万人から2040年には5,978万人に減少するという予測がある。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より)
この予測によると、年間70万人の労働力人口が失われる計算だが、実はこの傾向自体は今に始まった話ではなく、1995年の8,716万人から20年間で約1,000万人、年平均にして約50万人の労働力人口が減少している。この期間はバブル崩壊後の経済低迷期と重なっていたこともあり、多くの企業において人手不足は大きな問題になっていなかった。ただし、近年の景気回復もあり、さまざまな業種業態の企業で人手不足が深刻になっているというニュースを頻繁に耳にする。前述した統計や予測を見る限り、この人手不足の問題が解決するにはそれ相応の時間を要すると思われる。
そこで、最近注目されているのが、RPA(Robotic Process Automation:ロボットによる業務の自動化)やAI(人工知能)などのテクノロジーの導入により、人間以外の労働力に作業を担わせることである。これらのテクノロジーは、政府の掲げる「働き方改革」の中でも「長時間労働の是正」や「人手不足の解消」「労働生産性の向上」といった課題に対する解決策としてしばしば登場する。
一方、テクノロジーに頼るだけでなく、人間にしかできない領域において労働生産性を高める方法もある。その1つの方法として「ファシリテーション」がある。本稿では、ファシリテーションとは何か、どのように実践すればいいのかについて次回以降解説する。
この記事の専門家

中小企業診断士
秋田 和洋
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