物品・サービスの発注方法を見直そう 2 ~発注一元化編~

執筆者:屋代 勝幸

更新日:2017年12月04日

購入プロセスを最適化する

(1の続き)
 本稿の1で挙げた事例に潜んでいた問題点は、以下の通りである。
(1)物品の購入実績の捕捉が煩雑になり、必要な購入であったかどうかの判断が困難になること
(2)購入にかかる会社から店舗までの往復時間(人件費)がコストとして考慮されていないこと
(3)購入時の事前決裁のプロセスが簡略化され、不正のリスクがあること

 確かに、社員がそれぞれ安い物品を購入することで、1品あたりの単価は安くなることもあるだろう。これはコスト削減効果があるように思われるが、切り口を変え経営全般から見た場合、決して良い買い物にはなっていないのである。

 例えば前述の例では、人件費で計算するとわかりやすい。社員の時給を2,000円として、極端な例だが往復1時間かけて月に6回の購入作業を行っていたとすると、購入のために要した人件費は、実に12,000円にも上る。また、精算のために本人は伝票を起票し、経理部門は照合・出金の確認を逐一しなければならない。こうした一見、目に見えない購入後の管理コストにも目を向け、発注、納品、検収、支払、保管管理の、購入プロセス全体での最適化を考慮する必要がある。

 実際に、本稿の1で述べた家庭用品消費財の卸売業では、全国7拠点においてそれぞれが購入していたプリンタートナーの購買先を特定し、発注先を一元化した。それまでは、特に地方における1人駐在の営業担当社員は、営業の時間を割いて、家電量販店に都度購入に出向き、個人の経費精算をしていた。それがトナー受払表の入力とメールによる連絡で品物が自動的に納品されるようになったため、購入に要する時間の負担軽減をそのまま営業活動へ振り向けることが可能となった。
 経理事務においても経費精算が集約されるとともに、使用トナー量の把握が可能となった。これは最終的にプリンターの機種統合の選定を進めるうえで役立ったと同時に、ボリュームディスカウント(数量割引)による購入コストの削減も容易にするなどの副次的効果を生みだした。

 本稿の3では、購入プロセス最適化の取り組みを開始する手順について説明したい。

物品・サービスの発注方法を見直そう 3に続く

この記事の専門家

中小企業診断士

屋代 勝幸

千葉県出身 1967年生まれ。東京都葛飾区在住。食品・機械部品・外資系消費財メーカーに勤務し、営業・営業企画・広報・宣伝・商品企画・調達・人事・総務の部署を経験。業務プロセス改善、ファシリティ管理、販売促進を得意とする。会社の健康研究所代表 ミラサポ専門家 東京都中小企業診断士協会城東支部地域支援部で活動に取り組んでいる。

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