中小企業向けの税務特例を知ろう! 2 ~交際費特例編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年01月09日

年800万円までの交際費は全額損金になる

(1の続き)
 税制の特例のうち、「交際非課税の特例」(交際費等の範囲と損金不算入額の計算)を紹介する。

 大法人は、接待飲食費を除き、交際費は損金として認められない。損金とは、法人税の計算をする際に経費として利益から引くことができる費用を指す。なお、接待飲食費については50%相当額までが損金となる。

 一方で中小法人については、年800万円までであれば交際費は全額損金になる。接待飲食費についても、年800万円までは大法人のように50%相当額といった制限を適用されない。ただ、中小法人でも、接待飲食費の50%を損金扱いとして選択することはできる。例えば、接待飲食費が1,600万円超の中小法人が、800万円の定額控除を選択せずに、接待飲食費の50%を損金として扱うことも可能である。

 大法人で働いた経験のある人が中小法人の経営者として独立した場合、よく勘違いすることの1つとして、1人当たり5,000円以内の接待飲食費しか損金として認められないと思ってしまうことがある。
 法人税法では1人当たり5,000円以内の飲食費を使用した場合、交際費から除くことができるので、通常、接待飲食費ではなく、全額損金として処理できる会議費として扱う。それにより、大企業の社内規定では接待飲食費を会議費として処理するために、交際費から除くことができる1人5,000円以内を接待飲食費として社内の規定で認めることが多いようだ。
 中小法人は年800万円までの交際費は全額損金にできるので、1人当たりの上限をあまり気にせずに接待できる。

 ちなみに交際費等とは、税法では「法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」※と定義されている。中小法人は年800万円までは損金扱いにできる軽減措置があるため、飲食で取引先との関係を強化する、取引先の記念日に贈答品を贈るなど、有効的に交際費を使うことで会社の営業力の強化を図ることが可能なのではないかと思う。

 なお、交際費の特例の適用を受けることができる中小法人とは、期末の資本金または出資金が1億円以下の法人(資本金の額等が5億円以上の大法人による完全支配関係がある普通法人は除く)をいう。
 次回は、給与を増やした法人に対する特典について紹介する。

※国税庁ホームページ「交際費等の意義」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/08/08_61_4a.htm

中小企業向けの税務特例を知ろう! 3に続く

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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