中小企業向けの税務特例を知ろう! 3 ~給与増大編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年01月09日

従業員の給与増大でも優遇制度がある

(2の続き)
 最後に、「所得拡大税制」(雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除)について紹介する。
 給与を増やした法人に対しては、増えた給与の10%相当額の法人税を控除するという制度がある。この制度は大企業への適用もあるが、中小企業※へは適用の要件が緩和され、控除額の上限となる割合が多くなっており優遇されている。
 制度の適用要件については細かいことが多いので、詳細は顧問税理士に確認いただきたい。本稿では、制度のイメージを理解いただければと思う。

 給与を増やした法人とは、どのような法人のことをいうのだろう?要件を簡単に確認していきたいと思う。
 給与を増やした法人とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち、最も古い事業年度の前事業年度の給与(基準雇用者給与等支給額)と適用年度の給与(雇用者給与等支給額)を比較して、給与の増加割合が3%以上あること、および前事業年度と適用事業年度を比較して給与が増加している法人のことをいう。この要件を満たしている法人が控除の対象となる。
 控除額は、雇用者給与等支給額と基準雇用者給与等支給額の差額の10%となる(ただし、調整前法人税額の20%が限度となる)。

 また、追加の控除として、適用年度と前事業年度の平均給与等支給額を比較して2%以上増加している場合には、上記の控除額に、適用年度と前事業年度の給与の差額の12%を加算することができる。毎年昇給しているような会社や業績が伸びてそれに応じて社員への還元も増えているような会社が、適用になる。
 また、忘れやすいこととして、新たに設立した法人の1期目については、比較する前事業年度等がないため、必ず適用要件が満たされるようになっている。設立1年目で利益が出ている法人は、ぜひ、給与を増やした法人に対する控除の適用を忘れずに受けてほしい。

 人手不足が顕著になっている現在、人材の確保は企業経営にとって非常に大きな課題となっている。人手が足りないがために事業の成長のチャンスを逃さないとも限らいない。それゆえ、人材確保を給与面からも考えようという経営者は「所得拡大税制」を活用してほしい。

※資本金の額等が1億円以下の法人をいう。ただし、同一の大規模法人に発行済株式等の2分の1以上を所有されている法人等を除く。

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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