中小企業における役員給与の決め方を知ろう 1 ~定期同額給与編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年02月15日

役員給与は毎月同額に

 起業をして社長になってからの大切な仕事に、自らを含む役員の給与の額を決めるということがある。また、会社の業績の変化などにより役員給与の額を変更したいと考える経営者もいることだろう。会社に勤めていた時は、給与規程などによって給与の金額が決まっていたと思う。起業してからは、社長の給与は自分で自由に決めることができ、それが起業をすることの大きなメリットの1つでもある。

 しかし、自由に決めることができる役員給与に制限を設けているものがある。それは法人税法だ。本稿では、法人税法で設けられている制限について解説をするとともに、その制限の中で役員給与を決めるときの留意点を紹介したいと思う。

 まずは、役員給与の制限について説明をする。
 1つ目の制限は、毎月の給与額に関するものだ。法人税法では、毎月の給与に関しては毎月同額を支給しなければ、損金の額に算入されないとしている。損金の額に算入されないとは、法人税の計算において、支給した役員給与を経費として計上できないということを意味している。通常、給与を支払うと会社の損金となり、法人税等は経費が増えた分、少なくなる。また、支払われた給与に対しては所得税と住民税が課される。
 ところが、役員給与が損金にならないと支払われた給与に所得税と住民税が課税されるのは変わらないが、経費が増えないので法人税等は減らない。つまり、支払った役員給与の相当額に対して法人税等、所得税や住民税が課税されることになり、不利な扱いを受けてしまうことになる。

 毎月同額とした役員給与を、「定期同額給与」という。定期同額給与となっていない場合には、その同額となっていない部分が損金の額に算入されない。これを3月末決算の法人を例にとり、説明したい。
 4月から翌年2月までは毎月50万円の役員給与を支給していた法人が、3月だけ月80万円の役員給与を支給したとする。この場合、3月だけ他の月と比べて30万円多いので、定期同額給与に該当しないことになる。定期同額給与に該当しなかった80万円のうち、増額した分の30万円が損金の額に算入されない。

 「これでは期の途中で役員給与を変更できないのではないか」と思われるかもしれない。
 法人税法では、役員給与を変更できる期間が定められており、次回は、それを役員給与の2つ目の制限として説明したい。

中小企業における役員給与の決め方を知ろう 2に続く

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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