中小企業における役員給与の決め方を知ろう 2 ~期間制限編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年02月15日

事業年度開始から3カ月以内

(1の続き)
 前回では、損金算入のためには役員給与は毎月同額でなければならないことを説明した。今回は2つ目の制限として、役員給与の変更が認められる期間について説明したい。

 前述のとおり、役員給与は毎月同額とすることが基本である。給与額を変更する場合には、期間の制限がある。原則として、その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3カ月を経過する日までに変更をする場合は、変更前と変更後の役員給与の金額が違っていても、定期同額給与に該当する。つまり、事業年度がスタートしてから3カ月以内であれば、役員給与の変更が認められるのである。

 3月末決算の法人を例にとり、変更時期について説明する。3月末決算の場合、事業年度開始の日は4月1日となる。事業年度開始の日から3カ月を経過する日は、6月30日であり、この3カ月間が役員給与を変更する事ができる期間だ。これが原則である。

 例外として、役員の職制上の地位の変更(代表権のない取締役から代表取締役になった場合など)、役員の職務の内容の重大な変更などがあった場合には、事業年度開始から3カ月以内の変更でなくても、役員給与の変更は認められる。また、法人の経営状況が著しく悪化したことにより、役員給与を減額する場合なども同様に、事業年度開始から3カ月以内の変更でなくても、役員給与の変更は認められる。「著しく悪化した」ことの判断は難しいと思うが、単に業績目標に達成しなかったような場合は該当せず、役員給与を減額するやむを得ない事情がある場合に限り適用されるため、注意が必要である。
 なお、非常勤役員に対して年1回または2回支給する役員給与は、毎月の支給でないことから定期同額給与に該当しないこととなる。この場合には、原則として事業年度がスタートしてから3カ月以内に支給額を定めたとして、所轄税務署長に届出を出すことで損金とすることができる。同族会社に該当しない法人については、上記の届出は不要となる。

 実務においては、前述の例外に該当するケースは少ないと思われる。中小企業の経営者は、事業年度が開始してから3カ月以内に役員給与を決めなければならない、と覚えておいていただきたい。
 次回は、実際に役員給与の額を決める手順について説明したい。

中小企業における役員給与の決め方を知ろう 3に続く

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

ミラサポおすすめコンテンツ

サービスを利用する
補助金など支援情報
無料派遣専門家
地域プラットフォーム
専門家派遣・電子申請のご利用は、こちらより企業IDをご登録下さい
ビジネスを創造する
ビジネス創造コミュニティ
業務「アプリ」マーケット
ミラサポビジネスプロジェクト/アワード
補助金・助成金ヘッドライン
ビジネス創造ヘッドライン
ビジログ
バーチャルシリコンバレー
ページトップに戻る