法人税控除につながる!所得拡大促進税制改正のポイント 2 ~改正のポイント編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年06月26日

減税の上乗せを受けるための2つの要件

(1の続き)
 前稿では、所得拡大促進税制の適用を受けるためには、前年度に比べて給与等の支給額が増えている必要があることをお伝えした。減税額は、次の計算式で算出される額である。
・給与等支給総額の対前年度増加額×15%

 上の計算式で算出される額が、法人税額から控除される。また、法人税額を課税標準(税率を掛ける基になる金額のこと)とする法人住民税(法人税割)、地方法人税についても法人税額が減税された分、減税となる。法人住民税と地方法人税は合わせて法人税額の約20%の負担となるため、所得拡大促進税制の適用を受けると15%×20%=約3%の減税効果となる。法人税、法人住民税、地方法人税の減税額を合計すると、増えた給与等の額の約18%分の減税効果が得られることとなる。

 「平成30年度税制改正」では、上述の15%の税額控除の他、一定の適用要件を満たした場合に、税額控除割合を15%から25%へとする上乗せする措置も設けられた。上乗せ適用を受けるための要件は、以下の(1)および(2)のいずれも満たすことである。
(1)継続雇用者給与等支給額が前年度比で2.5%以上であること
(2)次のいずれかを満たすこと
 a)教育訓練費が対前年度比10%以上増加
 b)中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上がなされていること

 上の要件を満たした場合には、控除割合が25%となる。教育訓練費とは、法人が他の者が行う教育訓練などに参加させる場合に支払う授業料や、法人自らが行う教育訓練の際に外部講師に支払った報酬などが含まれる。
 経営力向上計画の認定は、比較的容易に受けることができるので、状況に応じて、上述のa)とb)のいずれの要件をクリアするのか検討していただきたい。いずれも決算期になってから慌てても、どうにもできない要件なので事前に要件をクリアできるか確認しておく必要がある。

 なお、通常の控除割合である15%と上乗せ時の控除割合である25%のいずれを選択しても、減税される金額は「法人税額の20%」が上限となっている。
 筆者が支援した経験では、この上限額に引っかかってしまうケースも多いので、注意していただきたい。

【押さえておきたい!見落としがちな改正の注意点】に続く

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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