法人税控除につながる!所得拡大促進税制改正のポイント 3 ~改正の注意点編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年06月26日

改正前との変更点に注意しよう

(2の続き)
 「平成30年度税制改正」によって改正された所得拡大促進税制について、本稿では、所得拡大促進税制の適用を受ける際の要件を更に深掘りして紹介したいと思う。
 繰り返しとなるが、今回紹介する制度は、2018年4月1日から2021年3月31日までの間に開始する各事業年度が適用対象期間となる。それ以前の事業年度については、要件が異なる所得拡大促進税制(従来の制度)となるので注意していただきたい。

 まず、会社を設立したばかりの設立事業年度については、比較対象となる前事業年度がないことから所得拡大促進税制の適用を受けることができない。改正前の所得拡大促進税制では、設立事業年度については、他の要件を満たしていれば減税対象となっていたので、この点は注意が必要である。また、解散の日を含む事業年度や清算事業年度についても、制度の適用はない。

 次に、中小企業であっても、基準年度の年平均所得金額が15億円を超える法人(これを「適用除外事業者」という。)については、所得拡大促進税制の適用はない。なお、適用除外事業者の判定については、2019年4月1日から適用となる。

 次に、1年未満の事業年度となった場合には、継続雇用者のカウント方法が通常と異なる。通常は適用年度と前事業年度は共に1年間であり、月数が異なることはないが、事業年度の変更などがあった場合にこれに該当する。
 「前期の月数<当期の月数」の場合には、前期と当期の各月全てに給与等の支給を受けていた従業員が継続雇用者となる。一方、「前期の月数>当期の月数の場合」には、当期と前期のうち当期に相当する期間で前期終了日に終了する期間(例えば当期が8カ月の場合、前期の終わりから8カ月前までの期間)内の各月全てに給与等の支給を受けていた従業員が継続雇用者となる。

 最後に、給与等の支給額には、給与だけでなく賞与も含まれるが、決算賞与については、損金となる事業年度の給与等の支給額に含まれるので注意していただきたい。賞与額を含めて前事業年度より給与が増えている必要があるので、定期昇給で1.5%以上昇給させていたとしても、所得拡大促進税制の要件を満たさないことがある。

 従業員の給与や賞与の増加に取り組んでいただくことは、人材確保にもつながり得る。上述の注意点を押さえながら、対象となる中小企業の経営者は、ぜひ同制度を活用していただきたい。

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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