若手経営者に向けた、源泉所得税の留意点 1 ~源泉所得税の算出編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年07月06日

集めて納める立場に変わる

 今回のコラムでは、独立して間もない、または事業を承継して間もない経営者の方に向け、源泉所得税の留意点をお伝えする。
 経営者となって、それまでと立場の違いを最も感じるのが給与を支払うときではないかと思う。それまでは、給与は「働いている会社から毎月振り込まれるもの」というイメージを持っていたことと思う。経営者となってもそれは変わらないのだが、支払いをしているのは経営者である自分自身になるということが大きな違いだ。

 給与支払い時には、個人負担の源泉所得税、住民税および社会保険料を差し引いてから支払う必要がある。差し引いた源泉所得税、住民税および社会保険料は、会社がまとめて国や市区町村、年金事務所に支払いをすることになる。給与から引かれる立場だったものが、経営者になってからは集めて納める立場に変わるのだ。集めて納める立場となった若手経営者向けに源泉所得税の仕組みと留意点について紹介していきたいと思う。

 まず、給与支払い時の源泉所得税の算出の仕方を簡単にお伝えする。源泉所得税額の算出は、毎月給与を支払う場合、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」(国税庁)に基づいて算出される。この「月額表」を用いるにあたり、算出対象となる人が甲欄か乙欄のどちらに該当するのかを判断する必要がある。
 甲欄と乙欄の違いだが、甲欄は、主たる職場で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出をした人に対して適用される。乙欄は、副業先の職場で主に適用される。なお、甲欄は同時に1カ所の給与支払い先しか選ぶことができず、複数の勤務先がある場合には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した所が甲欄の適用となる。

 甲欄か乙欄かが判断できたら、次は対象者が「月額表」の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」のどのテーブルに属しているのかを確認する。そして「扶養親族等の数」に対応する欄に記載されている金額を参照することで、源泉徴収すべき税額を得ることができる。源泉徴収した源泉所得税は、国に納付する。

 甲欄と乙欄とでは、総じて乙欄の方が毎月の給与から源泉される税額が大きくなる。もし従業員から、甲欄と乙欄のどちらにすべきか質問を受けた場合には、年末調整や確定申告をすることで源泉所得税額は精算されるため、最終的な有利・不利はないものの、毎月の家計のやり繰りを考えるのであれば、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出して甲欄を選択しておいた方が望ましい、と答えるといいと思う。

【給与以外にも所得税を源泉徴収しなければいけないのは、こんなケース!】に続く

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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