これだけは知っておきたい!財務分析指標の使い方 3 ~安全性の指標編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年10月12日

安全性を分析して資金調達に活用

(2の続き)
 前稿までに、財務分析指標の1つである損益分岐点売上とその活用方法を紹介した。財務分析指標は、損益分岐点売上の他にも多数あるが、筆者がその中でもこれだけは知っておきたいと考える指標を、以下に2つ紹介する。

 まずは、「自己資本比率」である。自己資本比率とは、総資産に占める自己資本の割合のことで、会社経営の安全性を測る指標である。自己資本比率は、次の計算式で求める。
自己資本比率(%)=純資産合計÷資産合計×100

 「純資産合計」と「資産合計」は、ともに貸借対照表の中にある数字であり、イメージしやすいだろう。
 自己資本比率で分かることは、会社の安全性である。例えば自己資本比率100%の会社は、株主からの資本金と、過去から現在までの利益で会社の資産が形成されている会社である。このような会社は、他者への債務がないため、倒産の可能性は限りなくゼロに近くなる。逆に自己資本比率が0%またはマイナスのような会社は、一般的に、資本金と過去から現在までの利益では返しきれない負債を抱えているような会社なので、瀕死の状態といえるだろう。

 自己資本比率は、およそ30%が平均値で、40%を超えてくると財務の安全性が高い会社と言われている。自己資本比率を改善するには、負債を減らすか純資産を増やす必要がある。負債は手元資金で借入金を返済することにより減らすことができる。一方で純資産を増やすには、増資をするか利益を増やして内部留保を充実させる方法がある。なお、中小企業の場合は役員からの借入金は実質的に自己資本とみなされるケースが多いので、一般的には純資産に「役員借入金」を加えて自己資本比率の計算がなされる。

 次に紹介する財務分析指標は、「債務償還年数」である。債務償還年数とは、「現在の借入金を、会社が稼ぐ毎年のキャッシュフローで返済すると何年かかるのか」を計算したものになる。計算式は次のとおりである。
債務償還年数(年)=借入金合計÷(経常利益+減価償却費)

 債務償還年数が10年以下となると、会社のキャッシュフローだけで現在の借入を10年以内に返済できることを意味し、一般的に返済能力があると銀行から認められやすくなる。なお、新規に借入を申し込む場合には、新たな借入額も含めて債務償還年数が計算されるので注意してほしい。
 債務償還年数が10年を超えてくると、会社の返済能力を超える借入を有しているとみなされ、新たな融資が断られることもある。

 今回のコラムでは、「損益分岐点売上」「自己資本比率」「債務償還年数」の3つの財務分析指標を紹介した。いずれも計算式はシンプルなので、ぜひご自身の会社で計算をしてこれらの指標を経営に活かしてほしい。

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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