会計情報の内容や使い方を工夫し、経営に活かす! 3 ~活用編~

執筆者:佐藤 昭一

更新日:2018年11月02日

経営者の「なぜ」が会計情報のヒントに

(2の続き)
 前稿では、金額的な情報だけでなく平均単価や顧客情報などといった他の会計情報も大事であることをお伝えした。本稿ではさらに深掘りして、経営者が会計情報を使いこなすコツをお伝えしたいと思う。

 会計情報には、売上のような金額的な情報もあれば顧客数のような数字もある。当たり前であるが、経営者にとって必要な会計情報は異なる。しかし、経理部門が用意しがちな情報は、試算表や貸借対照表・損益計算書などといった「制度会計」と呼ばれるものであり、決まったルールによって制限された情報しか得られず、会計情報をうまく使いこなせない場合がある。「制度会計」は、銀行や税務署など会社を取り巻く関係者が、会社を他社と比較して理解することを目的としており、必要な情報や記載箇所などはルールで決められている。そのため、経営者は経理部門に対して会社の経営に必要な会計情報を報告してもらう必要がある。

 一方で、経営者にとって大事な会計情報などを集めたものは「管理会計」と呼ばれている。管理会計で扱う会計情報は、経営者によって異なる。既成品はなく、自社に合った管理会計を作成するためには、経営者が必要な会計情報を積極的に集めることが大切である。

 それでは、経営者が必要とする会計情報とは、どのような情報なのだろうか。それは、経営の「なぜ」を突き詰めていくとわかってくる。
 例えば、「売上が前月より増えたのはなぜか」といった疑問から「顧客数が増えたのか平均単価が上がったのか」などの疑問に結びつく。もし顧客数が増えたとすると「なぜ顧客数は増えたのだろうか」といった疑問が出てくる。すると、「新規顧客が増えたのか、それとも既存客のリピートが多かったのか」といった疑問にまで深掘りでき、原因を探ることができる。このように「なぜ」を繰り返していると、経営者の疑問に答える会社の鍵となる会計情報が見つかるはずである。

 初めのうちはたどり着いた原因や理由も仮説に過ぎず、集めた情報が役立つかどうか不安に思うかもしれないが、何ヵ月か継続して同じ会計情報を確認していると、会社にとって必要な会計情報だと気づく情報や要素が見つかるはずである。経営者自らの「なぜ」をキーワードにして集めてきた会計情報は、経営の役に立たないことはない。

 経営者にとって会計情報を使いこなすコツは、既存の会計情報を理解するのではなく、経営者の疑問に答える会計情報を集めることにある。そうすることで決算書の読み方を勉強しなくても、会計情報をうまく使いこなすことができるようになる。ぜひ、試してほしい。

この記事の専門家

佐藤 昭一

税理士。明治学院大学経済学部卒。
大学在学中からダブルスクールで税理士試験に挑戦し、卒業後は試験勉強と税理士事務所での仕事を両立させる。税理士事務所での仕事と並行してリサイクルショップを経営していたこともある。2つのことを同時並行させるために実践していたITを駆使した業務効率化、リサイクルショップ起業の経験を活かした経営支援を得意としている。最近は、体を動かすことに目覚めスポーツと仕事を同時並行させている。

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