製造業で営業力を強化できるホームページをつくる 2 ~設計編~

執筆者:遠藤 康浩

更新日:2018年01月05日

どのようにホームページを設計すればいいのか

(1の続き)
 ホームページの設計とは、具体的にどのようなことをすればよいのだろうか。
 これについては、ゴール地点を想像することからスタートしよう。例えば、ネット通販の場合はゴール地点が「購買」となる。その際、製品について知りたい点(疑問点)があらかた解消され、これを買えばよい、と消費者が判断できる状態にまで持って行くことがゴールである。

 しかし、製造業の場合は少し違う。閲覧者が「ちょっと話を聞いてみたいな」という状態を目指せばよい。言い換えれば、閲覧者に疑問が少し残り、何を質問すればよいかが明確になるような状態のホームページである。したがってホームページの設計は、そこから逆算していけばいい。
 それにはまず、以下の2点を明確にしよう。
(1)誰が
(2)○○という質問をしてくる

 プレス加工品を製造しているA社を例にすると、
(1)これまで切削加工のものを発注していた会社の担当者が
(2)加工が可能かどうかと総コストについての質問をしてくる
といった感じになる。

 ここでのA社は、切削加工による部品を発注している会社をターゲットにしている。プレス加工品を発注している会社をターゲットにしても、そうした会社は単価にしか興味のない場合が多く、新規取引の獲得につながればうれしいことではあるが、そのような会社を新規取引として得たとしても、経営上のメリットはさほど大きくない。
 一方、切削加工品から他の工法に乗り換えようとする会社を顧客として狙えば、単純な単価比較だけに陥ることは避けられ、取引条件の内容も異なってくる可能性がある。
 このようなことから、(1)でターゲットを誰にするのかということを熟慮することが大切になる。

 また、上述のような理由から明確にしたターゲットは、「プレスでもこの形状の部品がつくれるのか?」あるいは「金型も含めた総コストはいくらで、ロット数がいくつ以上ならコストメリットが出るのか?」といったことに興味を持つはずだ。つまり、(2)を明確に設定することにより、閲覧者が何を知りたがっているのかも明確に把握することができる。

 ここまで考えられたら、次はホームページの設計を行う。
 ホームページの設計で一番大切なのはトップページのメッセージだ。
 「技術と信頼のA社」といったメッセージでは、ターゲットは振り向いてくれない。もっとターゲットが振り向くようなメッセージを考える。例えば「その切削加工品、プレスに切り替えられます」というようなメッセージならターゲットは反応してくれるはずだ。

 そしてコンテンツを設計する。
 通常は会社概要と主な製造品や設備の紹介くらいだが、ここではターゲットが閲覧したあとに程よい疑問を抱く状態のコンテンツを設計する必要がある。
 A社の場合であれば、例えば「乗り換え成功事例」のようなコンテンツがそれにあたる。切削加工からプレス加工に切り替えて成功した事例をいくつか紹介するのである。

 技術的に難しいと思って切削にしていた顧客の例、一定数量が生産できないからプレスだと割高になると思い込んでいた顧客の例など、いくつかのパターンの事例を紹介すれば、閲覧者は「自社の場合ならどうなのだろう」という疑問を持ち、その状態で問い合わせをしてくる可能性が高まる。
 それを想定したうえで、これらの事例を実現するための技術力や生産体制などを紹介するコンテンツも配置し、ホームページ全体のコンテンツを設計していくのである。

 次回は、多くの人に自社のホームページを見てもらうための方策について紹介する。

製造業で営業力を強化できるホームページをつくる 3に続く

この記事の専門家

遠藤 康浩

中小企業診断士。プログラマーとして通信系企業に勤務していた平成17年に中小企業診断士として登録。同年7月、経営コンサルタントとして独立開業する。
最も得意とする領域は、製造業のWebマーケティングであり、ホームページを活用して、いかに取引先を拡げるかというコンサル手法には定評があり、これまで50社を超える製造業のコンサルティングを実施した実績がある。また、このテーマで平成25年に中小企業経営診断シンポジウムにて中小企業診断協会会長賞を受賞した。

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