求められる変革型ミドルマネージャーの育成 2 ~変革能力編~

執筆者:遠藤 康浩

更新日:2018年02月06日

変革型ミドルマネージャーとして求められる能力

(1の続き)
 前回は「ミドルマネージャー」の定義について触れたが、それを踏まえた上で「変革型ミドルマネージャー」とは何か、を考えてみたい。
 「変革型」という修飾語がつく以上、前回に述べた3項目を兼ね備えた上で、物事を変えて行く力が備わっているリーダーと定義したい。

 それでは、物事を変えていくリーダーに求められる能力とは、どんなものと考えられるのだろうか。これを考えるにあたっては、「変革型ミドルマネージャー」というものを以下の2つのタイプに分けて考えるとわかりやすい。

(1)改善型タイプ
 改善型タイプは、社内の物事を「より良くしていく」のに向いているリーダーである。仕事のやり方や流れについて、既存のスキームの悪い点やボトルネックを指摘しながら着実に改善していくタイプである。

 そして、改善型に求められる能力としては、以下が必要と考えられる。
・仕事の流れを客観的に俯瞰し、どの部分が価値の創出を妨げているボトルネックなのかを見極める能力。
・部下や上司の話をよく聞き、コンフリクト(衝突)を最小限にするように利害調整や利害関係者への説得を行う能力。
・PDCAを着実に回し、狙った効果が出るまで粘り強く改善に取り組む能力。

 また、改善型のリーダーの場合、もともと「1」あるものを「2」にするような改善は得意だが、「ゼロ」から「1」を生み出すようなことは不得手な場合が多い。

(2)改革型タイプ
 これまでのやり方や慣習・文化などにとらわれずに新しいものを生み出していくリーダーである。新規事業の立ち上げなど、過去の延長線ではない新たなことをやり遂げるのに向いているタイプである。

 改革型タイプに求められる能力は、以下のようなものと考えられる。
・好奇心や行動力が高く、物事を多角的な視点から分析し、ビジネスの種を見つけ出す能力。
・コンフリクト(衝突)を気にせずに、正しいと思ったことを明確に主張し、その主張に多くの利害関係者を結果的に巻き込むことができる能力。
・絶望的な状況でも諦めずに新たな打開策を考える能力。それと同時に、見切りをつけた場合に撤退などの方向転換を決断できる能力。

 また、改革型のリーダーの場合、「ゼロ」から「1」を生み出すことは得意だが、現状を「プラス1」とするような地道な改善は不得意な場合が多い。

 ちなみに、改善型と改革型の2つのタイプの特質をバランスよく持った人材はかなり希有な存在であり、多くの場合はどちらかの特質が強く出ると言われている。
 改善型タイプに新規事業を任せてみてもなかなかうまく行かず、改革型タイプに、社内の工程改善プロジェクトのリーダーを任せてもプロジェクトが空中分解してしまうなど、向かない仕事を任せると副作用のほうが多く表出しがちである。

 次回は、「変革型ミドルマネージャー」の育成方法について説明する。

求められる変革型ミドルマネージャーの育成 3に続く

この記事の専門家

遠藤 康浩

中小企業診断士。プログラマーとして通信系企業に勤務していた平成17年に中小企業診断士として登録。同年7月、経営コンサルタントとして独立開業する。
最も得意とする領域は、製造業のWebマーケティングであり、ホームページを活用して、いかに取引先を拡げるかというコンサル手法には定評があり、これまで50社を超える製造業のコンサルティングを実施した実績がある。また、このテーマで平成25年に中小企業経営診断シンポジウムにて中小企業診断協会会長賞を受賞した。

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