求められる変革型ミドルマネージャーの育成 3 ~育成方法編~

執筆者:遠藤 康浩

更新日:2018年02月06日

変革型ミドルマネージャーをどう育成するか

(2の続き)
 前回は、「変革型ミドルマネージャー」を改善型、改革型で分類してみた。今回は、それを踏まえた上で、「変革型ミドルマネージャー」を育成するにはどうすればよいかを考えていきたい。

 両タイプのリーダーに共通する育成方法として、知識を十分に与えた後に実践をさせてみることがある。

 まず知識についてであるが、中小企業では、昇格の段階で何も知識を与えていないケースがよく見受けられる。「ミドルマネージャー」として必要な知識を十分に与えられないまま、現場での成果を求められるため、「ミドルマネージャー」がギャップを生じているケースが多いのである。

 時間とコストがかかるが、将来を嘱望する「ミドルマネージャー」については、社外の研修などを活用し、マネージャーとして十分な知識を身につけさせることをまず実行してほしい。どのような研修がよいかがわからない場合は、公的機関である中小企業基盤整備機構が運営する中小企業大学校でも研修サービスを提供しているので、ぜひ一度、ホームページなどで研修カリキュラムを参照してほしい。

 マネージャーとしての知識を十分に与えることができたら、次は実践に移していく。実践段階で重要なことは我慢することである。よくありがちなのが、任せたものの、その進め方や内容に不安を覚え、トップが口を出してしまうケースである。
 そのような状況になると、任されたほうは、トップが答えを用意していると認識し、自分で物事を積極的に考えなくなる。これではいつまで経っても「ミドルマネージャー」としての成長は望めない。成長に必要な過程であることを認識し、極力口を出さないように、ただし責任は「ミドルマネージャー」にあることを十分に認知させた上で、実践段階を踏ませてほしい。

 実践において、あるテーマを解決するプロジェクトチームを編成し、そのプロジェクトリーダーを任せるやり方は、育成の効果が高い。プロジェクトチームという限られた人員の中でマネジメントも学べ、かつ成果も非常にわかりやすいからである。

 次に、改善型、改革型のそれぞれの育成方法だが、これは与えるテーマによって区別していくのがよいであろう。
 改善型は現状をより良くしていくのが得意なのだから、「生産リードタイムの10%短縮」や「休眠顧客からの受注増加」のような、現状をより良くするテーマのプロジェクトを任せるとよいであろう。
 一方の改革型は、「新規事業のスタートアップ」や「営業方法の抜本的改革」のような、これまでの延長線ではないテーマを与えるとよいであろう。

 最後に、「ミドルマネージャー」にした人材が改善型タイプか改革型タイプかをどう見極めるかだが、これは非常に難しいテーマであると言える。気をつけなければいけないことは、勝手な決めつけをしてはならないということである。時間的に許されるのならば、まずは両方の経験を積ませ、その結果から判断するのが最も確実な見極め方法となる。
 会社の将来を担い、変革を実行できる「ミドルマネージャー」を育成するのだから、多少なりとも長い目で見てほしい。

 ここまで、「変革型ミドルマネージャー」について話をしてきたが、中小企業でそのような人材が少しでもいるかいないかだけで、会社の中身は大きく変わる。それほど組織にとってインパクトのある人材なのである。
 トップの目からみれば物足りなさを感じることも多々あると思うが、根気強く育てていくことが重要である。5年後、10年後を見据えた育成を行ってもらいたい。

この記事の専門家

遠藤 康浩

中小企業診断士。プログラマーとして通信系企業に勤務していた平成17年に中小企業診断士として登録。同年7月、経営コンサルタントとして独立開業する。
最も得意とする領域は、製造業のWebマーケティングであり、ホームページを活用して、いかに取引先を拡げるかというコンサル手法には定評があり、これまで50社を超える製造業のコンサルティングを実施した実績がある。また、このテーマで平成25年に中小企業経営診断シンポジウムにて中小企業診断協会会長賞を受賞した。

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