中小企業のメンタルヘルス対策 2 ~公的支援編~

執筆者:長谷川 惠美子

更新日:2018年03月22日

ストレスチェックの適正な実施を

(1の続き)
 ストレスチェックに適用される公的支援として助成制度がある。2017年度には3種類の制度が新設され、以下のような合計4種類の助成制度を利用できるようになった。

(1)ストレスチェック助成金
 ストレスチェック後に面接指導を実施する産業医資格を持った医師と契約し、(A)ストレスチェック(年1回)を行った場合には、1従業員につき500円を上限としてその実費額を支給、(B)ストレスチェック後の面接指導など医師による活動を受けた場合には、1事業場あたり1回の活動につき2万1,500円を上限としてその実費額を支給する。ただし、1事業場につき年3回を限度とする。

(2)小規模事業場産業医活動助成金
 2017年度に新設の制度で、産業医の要件を備えた医師と産業医活動の全部、または一部を実施する契約を締結し、実際に産業医活動(職場巡視、健康診断異常所見者に関する意見聴取、保健指導など)が行われた場合に実費を助成する。1事業場当たり10万円を上限(6カ月あたり)とし、将来にわたり2回限りの助成とする。

(3)心の健康づくり計画助成金
 2017年度に新設の制度で、各都道府県にある産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の助言や支援に基づき、心の健康づくり計画(ストレスチェック実施計画を含む)を作成し、その計画に基づきメンタルヘルス対策を実施した場合に助成する。1企業あたり10万円を将来にわたり1回限り助成する。

(4)職場環境改善計画助成金
 2017年度に新設の制度で、ストレスチェック実施後の集団分析結果を踏まえ、メンタルヘルス対策促進員による助言・支援を受け、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境改善を実施した場合に、機器・設備購入費用の実費を助成する。1事業場あたり、機器・設備購入に係る費用について、5万円または10万円を上限として、将来にわたり回限り助成する。

 以上の助成制度は、すべてを併用でき、後から追加で申請もできる。また、問い合わせは、労働者健康安全機構もしくは最寄りの産業保健総合支援センターが対応している。

 また、助成制度以外でも、全国社会保険労務士会連合会が概ね50人以下の事業場を対象に、労働環境の改善に向けた「労務診断ドック」を無料で3月まで実施しており、4月以降も引き続き実施する予定のようである。
 「労務診断ドック」とは、社会保険労務士が「働き方改革取り組み宣言シート」を用いて、企業の労働環境の実情を無料で診断するものである。宣言シートに回答することで企業は、働き方改革に取り組む必要性や労働環境の改善ポイントに気づき、それにより労働環境改善への決意や動機付けを得ることで、「人を大切にする企業」になることをめざす。宣言シートに取り組むことで企業は、「働き方改革取り組み宣言」を宣言でき、希望に応じて「働き方改革取り組み宣言企業一覧」へ企業名を掲載することで、今後も働き方改革に取り組んでいく企業であることをアピールできるのである。

 人手不足が顕著になってきた現在、労働力の確保はもとより、従業員一人ひとりの健康、特にメンタルヘルス対策に取り組むことで、職場環境を維持、改善し、さらに生産性向上をも目指したいものである。そのためにも、ストレスチェックの義務がない50人未満の中小企業も公的支援を活用しながら、メンタルヘルス対策に取り組んでいただきたい。

この記事の専門家

長谷川 惠美子

愛知教育大学社会科卒業。会計事務所に25年間勤務する。給与処理、法人決算、個人の確定申告などに従事。その間、年金アドバイザー3級、ファイナンシャルプランニング技能士2級、メンタルヘルスマネジメントⅡ種を取得。社会保険労務士試験に合格後、アミSRオフィスを開業。人の心に寄り添っていける社会保険労務士を目指している。

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