定款の事業目的を定めるためには 2 ~必須の要件編~

執筆者:町田 哲志

更新日:2018年03月29日

不明確や違法なものは認められない

(1の続き)
(2)明確性
 目的の中に、外来語や業界の専門用語など、これまで世の中になかった新しいビジネスの言葉を用いる場合は注意が必要である。自社では当たり前の言葉でも、一般的には広まっていないような言葉では登記ができない可能性がある。その場合は別の言葉で言いかえたり、括弧書きで説明を補ったり、「・・・などの」と例示を加えたりして登記することになる。
 明確性に疑問がある場合、辞典(国語辞典や現代用語辞典)などに記載されているかどうか、これらの辞典を参照すれば理解できるかどうか、といった基準で判断されることを念頭に置いて言葉を選んでいただくことをお勧めする。

(3)適法性
 法律違反となる目的や、社会の秩序や道徳(公序良俗)に反するような目的は事業として定款に定め、登記することはできない。たとえば「詐欺のコンサルタント業」などが認められないのは当然だが、弁護士や司法書士などの資格者が行う業務を会社の目的として登記することはできないので、誤解を招くような表現は避けるべきであろう。
 上記は登記における適法性の話だが、食料品や医薬品の製造業、建設業や運送業、中古品の売買など営業を行うにあたり官庁の許認可や届出を必要とする場合、定款や登記した目的の表現について主務官庁の審査となることがあるので注意が必要である。
 登記できるかという点と、許認可が得られ、届出が受理される目的か(営業できるか)という点の2つをクリアしなければならないのである。具体的な事例は、主務官庁か行政書士に問い合わせていただきたい。
 さらに、金融機関から融資を受ける場合、金融機関にも定款や登記事項証明書を提出してチェックを受けるので、融資を受ける予定がある場合にはあらかじめ金融機関にも確認していただきたい。

(4)営利性
 会社とは、その活動により生じた利益を構成員に分配するものであり、まったく利益を生じさせる可能性がない目的は登記ができないと解されている。これはボランティアなど明らかに非営利のものを指し、「儲かるか儲からないか、人によって見通しが分かれるような事業の目的」という意味ではない。先例では「政治献金」なども営利性を欠く目的であると判断された。

 次回からは、目的を具体的に定めるための方法を説明する。

定款の事業目的を定めるためには 3に続く

この記事の専門家

町田 哲志

司法書士。青山学院大学法学部卒業。
大手電機メーカーで勤務し、平成12年に司法書士試験合格、平成15年に千葉県松戸市で事務所を開設。
特定非営利法人相続アドバイザー協議会会員。不動産登記、会社・法人登記を中心に業務を手がけている。

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