定款の事業目的を定めるためには 3 ~検討の観点編~

執筆者:町田 哲志

更新日:2018年03月29日

どのような観点で表現を考えるか

(2の続き)
 筆者が目的の定め方について相談を受けたときは、これまでに説明した4つの基準による「登記できるかどうか」という観点に加えて、「一般の方が登記事項証明書を見て理解できるか」「悪目立ちしないか」という観点から目的の表現を考えて、依頼者に提案している。

(1)「一般の方が登記事項証明書を見て理解できる」目的
 前述の「具体性」の要件で「商業」などと登記するのが正にこの例である。また、当面やろうと計画している事業の他に、将来やってみたい事業を20も30も登記することを依頼する方もいる。
 将来、どのような方向に事業が展開したとしても登記を変更する必要がないので登記費用が抑えられるとお考えのようだが、目的が多すぎると第三者から見て何の事業をやっている会社かわからないために、かえって説明の手間がかかってしまうというデメリットがあることを申し上げることにしている。
 では、どのような目的がいいのか。一目見て大体どのような会社かイメージが湧く目的、義務教育を修了した方が登記事項証明書を見て理解できる目的、もし一目で理解できなくても辞典や現代用語辞典を調べれば理解できるような目的となるような表現をお勧めしている。

(2)「悪目立ちしない」目的
 少額の資本金を元に取締役1名で立ち上げたばかりの会社なのに、目的が多数あって、しかもそれらが何の脈絡もなく並べられていたりするのはお勧めしない。たとえば、不動産や建築関係の目的が並ぶ中に、唐突に「アクセサリーの製造、販売」、「タレントのプロモート業務」などがあると、違和感が生じて会社自体の印象がマイナスになるおそれもある。
 起業したばかりの会社や小規模の会社は、資本も人手も少ないのに多方面の事業を展開できるわけがないのだから、一言で何の会社かはっきりわかる目的を数個定め、多方面に展開する際には別会社を設立するくらいの考えの方が、メリットが大きいのではないだろうか。

 次回は、目的の具体的な定め方を手順を追って説明したい。

定款の事業目的を定めるためには 4に続く

この記事の専門家

町田 哲志

司法書士。青山学院大学法学部卒業。
大手電機メーカーで勤務し、平成12年に司法書士試験合格、平成15年に千葉県松戸市で事務所を開設。
特定非営利法人相続アドバイザー協議会会員。不動産登記、会社・法人登記を中心に業務を手がけている。

ミラサポおすすめコンテンツ

サービスを利用する
補助金など支援情報
無料派遣専門家
地域プラットフォーム
専門家派遣・電子申請のご利用は、こちらより企業IDをご登録下さい
ビジネスを創造する
ビジネス創造コミュニティ
業務「アプリ」マーケット
ミラサポビジネスプロジェクト/アワード
補助金・助成金ヘッドライン
ビジネス創造ヘッドライン
ビジログ
バーチャルシリコンバレー
ページトップに戻る