ヒット商品から学ぶ、商品開発のツボ 3 ~調査の手順編~

執筆者:二宮 佳代

更新日:2018年06月07日

顧客の意見を商品に活かす

(2の続き)
 定性調査の代表的手法である、グループインタビューの進め方について、筆者が実際に関わった、だし素材の製造販売会社A社の事例を用いて、以下に紹介する。

(1)実施目的の設定
 まずは課題を明確にした上で、調査をどのように商品開発に活用するのかを確認する。
 A社の場合は、新商品を企画するに当たり、年齢別の購買行動や購入意向を調査したいと考えた。企画候補の中には、新たな販路開拓を目的とし、乳幼児に特化した商品を用意していたため、特に若い母親層がどのような反応をするのか、に注目した。

(2)モニターの選定
 モニターは、(1)で設定した目的を達成できる対象を検討し、1グループ当たり5~6名を選定する。
 A社の場合は、だし素材の主購買層である「主婦」の中から、「子育て経験のある20~50代の女性」を対象に選定した。

(3)調査手法・調査内容の検討
 インタビューの手法は、対話形式のほか、他社製品や自社の試作品を見せ、好意度や利用意向を聞く形式など、多岐に渡るため、目的に合わせて選択する。
 A社の場合は、「購買行動」「食や料理の嗜好」など、顧客特性を対話形式で聞き出すとともに、新商品のサンプルを提示し、利用意向や改善点などを聞く「受容性調査」を実施した。

(4)調査の実施
 インタビューは、モデレーターの果たす役割が重要である。モニターが本音を話しやすいような友好的な場を作り、先入観を持たず中立的にモニターの意見を引き出す。また、時間配分にも留意する。
 A社の場合は、1グループ当たり2.5時間を、2日間に分け実施した。

(5)商品方向性の再検討
 実施内容を基に仮説の検証を行い、商品の方向性を定める。
 A社の目玉企画であった乳幼児向けのだし商品は概ね好評であったが、唯一、料理好きなモニターには響かなかった。それは、忙しい母親でも手軽にだしを利用できるよう仕様を簡素化したことが、料理好きのモニターからすると「手抜きに感じる」という理由からだった。
 この結果を受け、ターゲットを「育児中ママ」から「育児中の料理初心者ママ」に絞ることができ、コンセプトやパッケージ、販促物の改良に役立てた。

 このように、グループインタビューは表層では見えづらい顧客の本音を発見できる、有効な手段である。ぜひ商品開発過程に導入し、顧客ニーズに合った商品の開発につなげていただきたい。

この記事の専門家

二宮 佳代

中小企業診断士。立命館大学国際関係学部卒業。
大手広告代理店に勤務しメーカーや百貨店、インフラ会社など多数の企業の広告宣伝や販促戦略に携わる。
現在は販促に不慣れな中小企業や店舗に向けた支援やセミナーなどを行っている。

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