「ペルソナ」を活用した商品開発のススメ 1 〜活用事例編〜

執筆者:渡邉 奈月

更新日:2018年05月25日

ペルソナの活用で売上アップ

 商品は顧客に売れてこそのものである。しかし、売上に直結するか分からない商品開発の市場調査に対し、限りあるリソースを潤沢に投入することは、中小企業にとってリスクが高いのも事実だ。

 商品開発を行う際、顧客をイメージするのに便利な「ペルソナ」という手法がある。ペルソナとは、フランス語で「人格」を意味する単語だ。
 一般的に顧客像は、年齢、性別、職業というように、統計的属性を切り口に、「顧客層」(まとまり)として捉えることが多い。一方、ペルソナは人格というだけあり、1人の架空の人物を想定し、名前、年齢、性別、住所、ライフスタイル、価値観などまで定義する点が特徴だ。細部に至る人物像を作り出すことで、商品開発に役立てる。

 ペルソナは約20年前の1999年に提唱されはじめた手法であり、中小企業の商品開発でも多く採用されている。実際にペルソナを活用したことで業績向上が見られた事例があるので、以下に紹介したい。

(1)株式会社スープストックトーキョー(東京都目黒区)
 売上高76億円(2016年3月期)を誇るスープチェーン。創業時に「秋野つゆ」という架空の37歳キャリアウーマンを顧客像に設定した。これにより、季節ごとに投入する新商品に一貫性が出て、強固なブランドを確立することができた。

(2)株式会社ナカムラ(愛知県名古屋市)
 切っても切っても同じ絵柄が出てくる飴細工「組み飴」のオーダーメイド品を企画・販売する中小企業。ホームページにアクセスする顧客の統計的属性を、現社長が顧客訪問して具体化し、「広報・販促・顧客関係管理の担当者で、かわいいものや商品のバックグラウンドストーリーが好きな28〜35歳くらいの女性」というペルソナを設定した。飴のデザインに活かし、安定した受注につなげている。

(3)マイヨジョーヌ(千葉県千葉市)
 千葉県のフランス料理店。オーナーシェフが新規開拓したい顧客像として、ナチュラルなものが好きな34歳女性をペルソナとして設定し、スタッフと共有した。これにより、メニュー開発、Webサイト、販促ツールの制作に統一感が生まれ、1カ月後、ランチタイムにペルソナ像に近い顧客が来店し、賑わうようになった。

 以上3件の共通点は、中小企業であること、そして、顧客を認識するための市場調査に多大なコストをかけていない点である。なぜコストをかけていないのに、適切なターゲティングができるのだろうか。

 次回は、この「ペルソナ」という手法について深く掘り下げ、「顧客層」としてだけでなく、「個」の価値観を定義することによって得られるメリットを探っていきたい。

「ペルソナ」を活用した商品開発のススメ 2に続く

この記事の専門家

中小企業診断士・情報処理技術者(システム監査技術者、上級システム、情報セキュアド)

渡邉 奈月

通信事業者のマーケティング担当者、プロダクト・マネージャーを経て財務分析業務に従事。最前線でのWebマーケティングの知見を活かし、小規模事業者のマーケティング戦略から制作までワンストップで支援。

得意分野

マーケティング戦略策定

ホームページ・販促ツール作成

効果測定・データ分析

イベント企画運営

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