「ペルソナ」を活用した商品開発のススメ 2 〜ペルソナの効果編〜

執筆者:渡邉 奈月

更新日:2018年05月25日

「コト消費」の時代に対応

(1の続き)
 「ペルソナ」を用いることで、コストをかけずに顧客を適切に認識し、商品開発に活かせることを説明した。今回は、従来の手法との違いを明らかにし、なぜ効果があるのかを探りたい。

 まず、ペルソナの例を挙げてみたい。
 前回お伝えしたフランス料理店「マイヨジョーヌ」は、ペルソナを「店舗の近所にあるマンション2階に1人暮らしの田淵由紀、34歳」と設定した。服装はナチュラルで、スカート・パンツ両方履きこなす…」といった具合だ。一方、従来の顧客層の捉え方でこれを表現すれば、「30代の女性、独身、千葉県在住」といったところまでだろう。
 このように定性情報を細かく定義するペルソナが、なぜ多くの企業で活用されるようになったのだろうか。

 モノが飽和する近年、消費者の関心は「コト消費」にシフトしている。レストランであれば料理にお金を払うのではなく、料理を食べる体験やそこで過ごす時間にお金を払うというものだ。すると商品開発においても、従来のように機能や性能だけでなく、コンセプト、ストーリー、使い勝手など定性的な価値の開発と具現化が重要になる。

 しかし、「大衆」から「個」の時代になった現代においては、統計的属性から、消費者の価値観を定義することは難しい。例えば、同じ30代の女性でも、ナチュラルが好きな人、美しく装飾されたものが好きな人など、様々な価値観があるのだ。定性情報まで考慮しないと、ターゲティングができない。

 さらに、商品開発を困難にする要因として、関係者間のゴールイメージのズレが挙げられる。各々が描く30代女性像は当然異なる。そこで、1人の「個」の価値観を定義する「ペルソナ」が商品開発の分野で用いられるようになった。価値観にまで言及しているからこそ、誰が開発に関わってもテーマが共有でき、商品開発に統一感が出る。

 顧客の価値観に一貫して訴求できれば、顧客は「私のためにあるお店」と捉えファンになる。2人といないペルソナによって商品は必然的に差別化されるため、この手法は中小企業の経営戦略にマッチしているといえるだろう。

 次回は、いよいよペルソナ作成の手順と、導入時の留意点について解説し、自社商品開発において継続して活用するためのコツを伝授したい。

「ペルソナ」を活用した商品開発のススメ 3に続く

この記事の専門家

中小企業診断士・情報処理技術者(システム監査技術者、上級システム、情報セキュアド)

渡邉 奈月

通信事業者のマーケティング担当者、プロダクト・マネージャーを経て財務分析業務に従事。最前線でのWebマーケティングの知見を活かし、小規模事業者のマーケティング戦略から制作までワンストップで支援。

得意分野

マーケティング戦略策定

ホームページ・販促ツール作成

効果測定・データ分析

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