介護をしながら働いてもらうために必要なこと 2 ~制度の導入編~

執筆者:堀野 美奈子

更新日:2018年06月08日

導入しなければならない4つの制度

(1の続き)
 「育児・介護休業法」では、仕事と介護を両立させるための支援制度として、事業主に対して、以下の4つの制度の導入を定めている。

(1)介護休業
 介護が必要な家族1人について、介護が必要な状態になるたびに3回を上限として、通算して93日まで休業できる制度である。

(2)介護休暇
 介護が必要な家族1人について、1年度に5日まで、対象となる家族が2人の場合は1年度に10日まで、1日または半日単位で休暇を取得できる制度である。原則として無給であるが、年次有給休暇とは別に付与しなければならない。

(3)介護のための短時間勤務などの制度
 「短時間勤務制度」「フレックスタイム制度」「時差出勤の制度」「従業員が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度」のいずれかの制度を作らなければならない。

(4)所定外労働の制限
 時間外労働、深夜勤務の免除・禁止などである。2017年10月の改正では、事業主が従業員の介護の状況を知った場合には、休業制度などについて個別に周知することが努力義務として定められている。従業員が介護を理由とする退職を申し出た場合は、当該制度について改めて伝え、制度を利用した場合でもやむを得ない退職であるのかどうかを確認することが望ましい。

 周囲の環境や支援状況によって介護と仕事の両立のしやすさは異なるため、1人ひとり異なる介護事情に寄り添うような施策を企業独自に整備することが、従業員の定着と企業への帰属意識を高めることに役立つ。独自施策の例として、相談窓口の設置、介護休業の上限回数の撤廃、介護休暇の1時間単位での取得、短時間勤務の4~7時間など柔軟な設定、といったものが考えられる。

 なお、介護休業期間中は、要件を満たせば雇用保険から「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」を目安として、介護休業給付としてハローワークから従業員本人に支給される。介護休業給付の申請手続は、原則として、事業主が一定期間内にハローワークに各種書類を提出しなければならないため、注意が必要である。どのような制度を導入しても、絵に描いた餅では意味がない。

【導入した制度を定着させる秘訣はこれだ!】に続く

この記事の専門家

キャリアコンサルタント
中小企業診断士

堀野 美奈子

大学院博士課程で行動分析学、比較認知心理学を専攻、キャリアコンサルタント、中小企業診断士。
大手通信系IT企業の人事部でダイバーシティ推進、キャリア開発喉の人材育成施策立案や社員のキャリアコンサルティングの傍ら、RPAやAIをはじめとする先端技術を活用する新規事業開拓に取り組む。

得意分野

キャリア開発

働き方改革、ダイバーシティ推進

営業プロセス改善、販路開拓

新規事業立ち上げ支援

ミラサポおすすめコンテンツ

サービスを利用する
補助金など支援情報
無料派遣専門家
地域プラットフォーム
専門家派遣・電子申請のご利用は、こちらより企業IDをご登録下さい
ビジネスを創造する
ビジネス創造コミュニティ
業務「アプリ」マーケット
ミラサポビジネスプロジェクト/アワード
補助金・助成金ヘッドライン
ビジネス創造ヘッドライン
マイナンバー制度ヘッドライン
バーチャルシリコンバレー
ページトップに戻る