新規ビジネスはこう考える!売上拡大にも役立つツールの活用 1 ~活用のメリット編~

執筆者:堀野 美奈子

更新日:2018年11月28日

ビジネスを視覚化し鳥の目で俯瞰

 新規ビジネスの立ち上げや、既存ビジネスの売上拡大のために新たな戦略を検討しなければならないとき、「検討事項が多くて何から手を付ければよいか分からない」という経営者の声をよく聞く。
 こうした悩みに応えてくれる手法として、高い視点から「鳥の目」でビジネスモデル全体を見渡すことのできる「ビジネスモデル・キャンバス(以下「BMC」という。)」という分析手法がある。今回のコラムでは、その活用方法を紹介する。

 BMCはビジネスモデルの検討手法として使われるツールの1つであり、日本では『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』(アレックス・オスターワルダー他著、2012、小山龍介訳、翔泳社)の中で紹介され、同書はさまざまな国でロングセラーとなっている。同書の著者アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュールは、世界に影響力のある経営思想家ランキング「Thinkers50」の2017年の発表で、7位にランクインしている。
 BMCは米IBMなどの大手企業をはじめとして世界中に実践者がいて、国内でも一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会がその普及に努め、実践者を増やしている。

 BMCは、ビジネスモデル全体の俯瞰と共通言語化(視覚化)をコンセプトに開発されたものであり、ビジネスモデルの検討に必要な9つの要素が盛り込まれている。その9つとは、顧客が商品やサービスを選ぶ理由となる価値提案(WHY)を中心に据え、企業側の誰が(WHO)、何を使って(WHAT)、どれだけの費用をかけて(HOW MUCH)、どうやって提供するか(HOW)に関する4要素と、顧客側の誰に対し(WHO)、何を使って(WHAT)、どういう関係の中で(HOW)、どれだけ儲けるか(HOW MUCH)に関する4要素である。

 次の図を参照していただきたい。
図「ビジネスモデル・キャンバスの9要素」
 BMCは、1枚のシートの中に上記の9つの要素をブロックとして配置し、各ブロック間の相互の関連性が一目で分かる作りになっている。これを活用してビジネスモデルを検討することで、以下のようなメリットがある。
(1)新規ビジネスを考案する際の抜けや漏れを抑えることができる
(2)既存ビジネスのBMCを作成して現状を見直すことで、検討すべき要素が明確になる
(3)既存ビジネスのBMCに追加や修正を加えたとき、前後の比較が容易になる

 何より、ビジネスを検討する関係者が互いにこのBMCの仕組みを理解していれば、1枚のBMCで素早く共通認識に達することができる。また、BMCはフリーミアム(基本無料でそれ以上は有料)やロングテール(販売量の少ない商品も含めて幅広く揃える)といったさまざまなビジネスの形態に合わせた基本形が提案されていることから、それを参考に自分たちのビジネスモデルに改変を加えていくこともできる便利なツールなのである。

【BMCの作り方を、事例とともに詳しく解説!】に続く

この記事の専門家

キャリアコンサルタント
中小企業診断士

堀野 美奈子

大学院博士課程で行動分析学、比較認知心理学を専攻。中小企業診断士、キャリアコンサルタント。大手通信系IT企業で、AIやRPAをはじめとする先端技術を活用する新規事業開拓の他、社員がそのタレントを十二分に発揮するためのキャリア開発や営業力強化などの人材育成施策の立案、ダイバーシティ推進施策などに取り組む。

得意分野

営業プロセス改善、販路開拓

新規事業立ち上げ支援

キャリア開発

働き方改革、ダイバーシティ推進

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