新規ビジネスはこう考える!売上拡大にも役立つツールの活用 3 ~事例と実践編~

執筆者:堀野 美奈子

更新日:2018年11月28日

幾通りも書き出して最適を探る

(2の続き)
 前稿では、売上不振に悩む花屋A店の現在の状況をBMCに描き表してみた。このA店のビジネスを改善するには、どのように検討すればよいだろうか。以下に解説したい。

 BMCの各ブロックに記載した事項の関連をみながら、新たな価値提案「VP」について考えていく。
 例えば、A店の周辺住民には若手ファミリー層が多いことから、ターゲットを20~40代を親とするファミリー層に絞り、その層に気軽に商品を手に取ってもらえることを想定し、新たな商品を構想するのはどうだろうか。そこで、顧客セグメント「CS」に「20~40代のファミリー層」と書き加え、その層に訴求する価値提案「VP」を考える。
 例えば、20~40代の家庭の食卓や居間を日常的に彩る「気安い手軽なテーブルフラワー」を新たな付加価値と考えたとき、その商品化を実行に移すための主要活動「KA」やそのためのリソース「KR」として何が必要となるだろうか。またそのとき、コスト構造「C$」や収益の流れ「R$」にどのような変化が表れるだろうか。このようなことを考えながらBMCを埋めていく作業となる。この過程を表したものが、次の図である。
図「A店の経営改善の検討過程」

 一方では、顧客セグメント「CS」に、周辺のイタリアンレストランなどの店舗を想定し、そこにテーブルフラワーを卸すといったビジネスモデルもあり得るだろう。皆さまも、ふとした折に周辺店舗などと「新規事業を一緒にやってみよう」と盛り上がったら、パートナー「KP」にその店舗を追加した新たなBMCを作成し、そのことによって追加される経営資源を思い浮かべながら新たな価値提案「VP」を構想し、他のブロックに波及する影響を1つひとつ書き加えながら生み出される収益「R$」について考えてみよう。

 BMCは一度書いたら終わりではなく、ビジネスの構想ごとに何パターンも書き出し、最適なビジネスモデルを探っていくものである。そして、このような活動を経年変化に合わせて何度も実施していくとよい。また、自社や自部門のBMCだけでなく、ライバル企業のBMCを書いてみるのも競合分析の一手法として有効である。同じような商品を扱っている企業であっても、9つの要素が全く同じということは恐らくないはずだ。
 刻々と変化するビジネス環境を泳ぎ切るために、皆さまもビジネスモデルを俯瞰的に把握できるBMCをぜひ利用してみてほしい。

この記事の専門家

キャリアコンサルタント
中小企業診断士

堀野 美奈子

大学院博士課程で行動分析学、比較認知心理学を専攻。中小企業診断士、キャリアコンサルタント。大手通信系IT企業で、AIやRPAをはじめとする先端技術を活用する新規事業開拓の他、社員がそのタレントを十二分に発揮するためのキャリア開発や営業力強化などの人材育成施策の立案、ダイバーシティ推進施策などに取り組む。

得意分野

営業プロセス改善、販路開拓

新規事業立ち上げ支援

キャリア開発

働き方改革、ダイバーシティ推進

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