後継者が主体的に経営理念を策定することで、円滑な事業承継を 3 ~社員への浸透編~

執筆者:小久保 和人

更新日:2018年07月02日

全社員へ後継者の存在感を示す

(2の続き)
 前稿に引き続き、経営理念を社員に浸透するまでのステップを解説する。

ステップ3:主な社員と共に経営理念を策定
 前稿の「ステップ2」で作成した経営理念の原案を叩き台にして、主な社員と共に経営理念を策定していく。全社員を巻き込むことが理想だが、時間や人数などの制約がある場合は、幹部や管理職、リーダー層から選抜して策定チームを作る。後継者だけでなく、必ず社員を巻き込むことが重要である。策定プロセスに参画したことで、完成した経営理念は上から押し付けられたものではなく、その社員の「自分ごと」になる。また、この作業を通じて、後継者の社内での存在感を向上させると共に、今後の後継者の右腕となる社員を発掘する、という狙いもある。策定時の打ち合わせはワークショップ形式で行い、社員の本音や自由な意見を引き出すことを心がけたい。

ステップ4:経営理念を全社員に浸透
 最後に、「ステップ3」で策定した経営理念を公開し、全社員に浸透させていく。経営理念を文書に起こして配布すると共に、職場ごとに説明会を開催する。説明会では一方的に説明するだけではなく、この経営理念を自分の職場でどのように実践するか、について社員同士で対話する時間を持つようにする。これにより、経営理念が社員1人ひとりの「自分ごと」となっていく。この浸透活動を通じて、後継者と各社員との関係性を深め、後継者の社内における存在感をさらに向上させていくことができる。

 以上に、後継者が主体的に経営理念を策定することで、事業承継時に直面するさまざまな課題を解決し、事業承継を円滑に進める方法について紹介した。現経営者の皆さまには、後継者育成の一環としてぜひチャレンジしていただきたい。
 なお、具体的に実践する場合、後継者が現経営者からのヒアリングや社員とのワークショップを行う際にはファシリテーション(かじ取り)能力が要求されるため、必要に応じて、後継者のサポート役として中小企業診断士などの外部ファシリテーターの活用を検討することをお勧めする。

この記事の専門家

中小企業診断士、
KOKコンサルティング代表

小久保 和人

大手IT企業で30年間、ハードウェア製品からクラウドサービスまで、幅広い新商品・新サービスの企画・開発・拡販に参画。現在は、中小企業の売上向上を阻む組織課題を解決するコンサルタントとして活動中。
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