品質を保ちながら納期を管理するコツ 2 ~有効な手法編~

執筆者:秀田 好章

更新日:2018年07月11日

工程ごとでなく全体を見る

(1の続き)
 前稿では、計画段階でバッファを持たせても納期遅延が発生してしまう要因について説明した。本稿では、その要因によって作業に遅延が発生するメカニズムと、問題の解消に有効な手法を説明する。

 たとえスケジュールに余裕がある場合であっても、プロジェクトは不確実なものであるため、計画時間をオーバーする問題は突然発生する。本来はそういった不確実性に対する緩衝として盛り込まれているはずのバッファは、前稿で説明した2つの要因により、問題が発生した時点で全て消費してしまっていることが多い。しかも、それまでプロジェクトは順調であったため、慌てて対策を立てても、もう納期に間に合わないということが起こり得るのである。

 本稿では、プロジェクト管理に有効な手法である「CCPM」(クリティカル・チェーン・プロジェクト・マネジメント)を紹介したい。これは、イスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士が提唱した、制約条件に注目することで最大限の成果を得るという、「制約理論」に基づくプロジェクト管理手法である。いくつかの特徴があるが、それらの中でも代表的な以下の内容について解説する。

(1)バッファを各工程で管理せず、プロジェクト全体として管理する
(2)バッファの消費量と消費速度を管理する

 例として、各工程にバッファを含めた見積もりで、全体工期が12日間のプロジェクトを想定する。この場合、問題がなければ8日間で完了する作業量であったとしても、前稿で説明した2つの要因により、計画に沿って12日間掛かってしまうことが多い。

 CCPMの手法を用いると、各工程からバッファを取り除き、「プロジェクトバッファ」としてひとまとめで管理する。具体的には、各工程の見積もりを半分に、つまり工期を6日間とし、残りの6日間を「プロジェクトバッファ」として設定し、全体工期を12日間とするのである。
 もちろん6日間では工数が足らず、遅延が発生するだろう。しかし、CCPMでは各工程の遅延は悪とは見なさない。ある工程で遅れが出れば、その分、後工程が全て遅れることになるが、最終工程の後に「プロジェクトバッファ」が存在するため、その時点で納期遅延とはならないのである。
 結果として6日間で作業が終わらなくても、例えばバッファである2日間を消費して8日間で完了を迎えれば、納期を4日間も短縮できたことになるのである。

【CCPMを導入するための3つのポイント!】に続く

この記事の専門家

中小企業診断士、
株式会社エクステック 企画推進室 チーフコンサルタント

秀田 好章

ERP(基幹系情報システム)パッケージ開発やエンタープライズシステム開発など、大小さまざまなプロジェクトに参画。組織マネジメントやキャリア理論を駆使した人材育成も得意とする。現在は、自社でコンサルティング部門を立ち上げ、培ったIT知識や人材育成の知見を活用し、中小企業の経営課題を解決するコンサルタントとして活動中。

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業務効率化支援

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