品質を保ちながら納期を管理するコツ 3 ~実践のポイント編~

執筆者:秀田 好章

更新日:2018年07月11日

課題を可視化して共有する

(2の続き)
 前稿では、CCPMの特徴を、具体例と共に解説した。本稿では、それを実際に導入する上でのポイントについて解説したい。

 CCPMを納期管理に導入する上でのポイントとして、以下の点が挙げられる。
(1)プロジェクトの安全性を可視化する
(2)各工程の遅れに注目しない
(3)重要な課題に、迅速に対応する

 CCPMでは、横軸に「プロジェクトの進捗率(%)」を、縦軸に「プロジェクトバッファの消費率(%)」を取った「傾向グラフ」と呼ばれる折れ線グラフで、当該プロジェクトの安全性を可視化する。通常、「プロジェクトの進捗率」が進むに従い、「プロジェクトバッファの消費率」も増えるため、グラフは右肩上がりに推移する。このグラフが水平に近ければ近いほど、「プロジェクトバッファ」を消費していないため、安全な状態だと言え、垂直になればなるほど危険な状態だと言える。

 そして、各工程の遅れについて責めることはせず、このグラフの状態に注目する。今までの管理方法であれば「問題がある」と見なすことができなかったプロジェクトであっても、このグラフが垂直に近くなっていることで最も重要な課題を可視化して認識できる。しかも、各工程からバッファを取り除くことにより、早い段階で重要課題に対して迅速に対応が可能となる。特に、複数のプロジェクトを同時に管理する場合には、より重要な課題に集中して対応が可能となるのである。

 初めに事例で挙げたA社は、CCPMによる管理を導入したことにより、数カ月で納期遅れのプロジェクトがほぼゼロになった。また、単に納期遅れを減少させただけでなく、日々のミーティングの中で可視化した内容を基に情報を共有し合ったことで、特定のメンバーに集中してしまっていた作業の平準化などの改善につながり、大きな効果を得ることができた。

 今回紹介した方法の他にも、CCPMには制約を意識した「クリティカルチェーン」による無理のない計画を立てることや、マルチタスクを排除する、プロジェクトの開始前に準備を完全にした状態にする、といった方法もある。
 全ての方法を取り入れることは難易度が高いかもしれないが、今回解説したCCPMの要素を取り入れ、納期管理に活かしていただければ幸いである。

この記事の専門家

中小企業診断士、
株式会社エクステック 企画推進室 チーフコンサルタント

秀田 好章

ERP(基幹系情報システム)パッケージ開発やエンタープライズシステム開発など、大小さまざまなプロジェクトに参画。組織マネジメントやキャリア理論を駆使した人材育成も得意とする。現在は、自社でコンサルティング部門を立ち上げ、培ったIT知識や人材育成の知見を活用し、中小企業の経営課題を解決するコンサルタントとして活動中。

得意分野

業務効率化支援

IT導入支援

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