中小企業の人材採用にマーケティング手法を取り入れる 1 ~事例紹介編~

執筆者:秀田 好章

更新日:2018年09月25日

注目される採用マーケティング

 「平成29年版厚生労働白書 資料編」(厚生労働省)によると、我が国の労働力人口は2000年に6,766万人であったが、年々減少し、2030年には6,362万人になると推計している。そのうち、若年層(15歳~29歳)においては、2000年に23.5%だった構成比が、2030年には16.1%に減少する見込みである。
 さらに、労働市場分析レポート「転職市場の動向について」(厚生労働省、2018年3月2日)によれば、「中企業→大企業」や「小企業→大企業」の転職が2010年以降、大きく増加している一方で、「大企業→小企業」や「小企業→小企業」の転職は大きく減少している結果が見られる。

 このような背景から、企業を支える若手社員や優秀な人材を採用することは、中小企業において今後、ますます困難な時代になっていくと言える。そんな採用活動に関して、近年注目されている「採用マーケティング」という考え方を、実際に成功した企業の事例を交えて以下に紹介する。

 社員数40名程度の情報サービス業であるA社は、中途で即戦力の人材のみを採用することで成長してきた。しかし、中途採用による優秀な人材の確保が年々難しくなり、社員の高年齢化が進んできたことを危惧して、新卒採用で若手を育成する方向に舵を切ることにした。当時は専任の採用担当者がいなかったため、営業担当者が中心となって新卒採用のプロジェクトを推し進めることとなった。
 ところが、学生に対するA社の知名度はほぼ皆無で、他社と差別化ができるような製品やサービスを保有していたわけでもなかったため、学生に興味を持ってもらうことが非常に困難であった。そんな状況において、数年の試行錯誤を重ねた結果、学生向けの企業説明会では毎年100名以上を集客し、直近4年間の累計で16名の新卒採用を成功するに至った。その成功要因はどのようなものだったのだろうか。

 A社が採用活動として実施した施策をまとめると、次のような内容である。
(1)採用活動用のホームページの作成
(2)地方の大学生や専門学生など、ターゲット層別に分類し、内容を変えたメールによるアプローチを実施
(3)学校での合同説明会へ参加し、前年入社した社員が会社説明を行う
(4)数人単位で実施する「ミニ企業説明会」を多数開催し、学生と接する機会を増やす
(5)面接の前後、個別に電話やメールによるアプローチを実施
(6)入社した社員へのアンケートを実施

 上記の取組は一見、特別なことを行っていないように見えるが、A社の営業担当者が実施したこれらの内容こそ、消費者に行うマーケティング活動を応用した、「採用マーケティング」活動であると言える。

【採用マーケティングの実施で押さえておきたいプロセスはこれだ!】に続く

この記事の専門家

中小企業診断士、
株式会社エクステック 企画推進室 チーフコンサルタント

秀田 好章

ERP(基幹系情報システム)パッケージ開発やエンタープライズシステム開発など、大小さまざまなプロジェクトに参画。組織マネジメントやキャリア理論を駆使した人材育成も得意とする。現在は、自社でコンサルティング部門を立ち上げ、培ったIT知識や人材育成の知見を活用し、中小企業の経営課題を解決するコンサルタントとして活動中。

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業務効率化支援

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